中小企業診断士/行政書士中村事務所

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後継者不在でもM&Aで事業承継の道を!(下)

・・・・・前回から続く

 

経営者が相続や事業承継の対策を何もせず、ある日突然亡くなると相続税の負担で会社経営が危機的状況に追い込まれたり、事業資産の分散で事業継続が困難になるといったケースは多い。「備えあれば憂いなし」で後々の対策をしっかり講じていれば、手塩にかけた我が子のような会社を円滑に承継できるのである。

 

株価が低いタイミングでの株式贈与、遺言書の作成、相続税の支払い原資の確保や後継者以外の相続人への相続対策として保険金の活用など、の対策を講じなければならない。

 

相続人への売り渡し請求などが定款にある場合はクーデターにも要注意である。後継者はあらゆるリスクに対応できる知識を持ち経営に臨まなければならない。

 

兄弟で経営を任せるなど、組織を再編する場合は、事業譲渡や会社分割・合併などの手法も活用される。

 

因みに、事業譲渡は欲しいものだけ買い手が取得できる一種の売買契約である。事業譲渡は、手間はかかるが簿外債務などややこしい問題は回避できるメリットがある。

 

売り手側は優先度の低い事業を売却することで、獲得した資金や浮いた経営資源を、主力事業に投下可能である。一方で買い手側にも、欲しい事業のみを買収出来るメリットがある。

 

但し、事業譲渡には「手続きが面倒」という大きなデメリットがあるので要注意だ。従業員も個別の同意が必要である。

 

二つ以上の会社が一つになる「合併」は、会社を一つにする際に、企業文化の統合、待遇の違いを一つにする人事労務システムの統合や簿外債務の存在などで円滑に統合することが困難である。

 

 

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事業承継でのM&Aでは株式譲渡が殆どだが、買収会社が持ち株会社を設立して、被買収会社をその傘下に置き、時間をかけて統合する手法も増えている。

 

 

 

 

 

 

後継者が事業承継で先代の事業を引き継ぐ際には、まず最初から会社を自分色に染めようと変革しないことが大事だ。変に勘違いして総ての権限があると独裁的な経営をしてはいけない。

 

先ずは、一通り先代のやり方を踏襲して従業員達とコミュニケーションを図りながら実務能力を身に着けていかねばならない。そして今後、変化する経済社会環境に適合させる為に変えるところと残すところを明確にして、自分のブレーン達や改革メンバーを組織化し改革を推進していくことだ。

 

それらを元に中長期ビジョンを策定し、タイムスケジュール化していく事が求められる。その第二創業の際に、自社の経営資源では実現が困難であれば、M&Aを活用していく事も肝要だ。

 

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真の事業承継とは、経営と財産(無形・有形)の承継だけではなく、会社の成長発展が必要である。

 

ある中小企業では、息子が家業を継ぎ何とか安定化させた後、会社の更なる成長発展させる為、M&Aで会社を買収し新規事業を創業し成功させた。

 

この積極果敢な経営姿勢が若い従業員達を中心とし支持を得ることができたので、何もやるにもリーダーシップとカリスマ性が発揮できるなど好循環が生まれた。

 

こういった事例のように、会社と従業員の成長発展の為に既存の殻を打ち破り、新たなことへチャレンジすることはいい。もちろん本業の更なる強化の為の同業他社の買収や周辺分野を強化し本業との相乗効果を高める為に関連企業を買収するのもありである。

 

買収して規模が大きくなると社内も活性化するし、従業員達も自分の会社が大きいと誇りに思うようにもなるであろう。異なる社風との融合で新たな企業文化も醸成されて精錬されていく事だ。

 

 

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M&Aはいまや当たり前の経営戦略である。会社や事業を買うという事は八百屋さんで野菜を買うのとは違う。試行錯誤的な安易な買収は会社の将来を犠牲にする。それは会社の社会的責任の一つでもある雇用も犠牲にすることである。

 

会社を譲渡する際、社長面談で断られる中小企業がある。それは社長の人柄や人間としての信頼性が原因である。腹を割った話ができない社長とは大きな取引はできない。

 

大切な従業員とその家族の人生もかかっているからだ。会社を買って欲しいなら、見栄を捨てる勇気と全てを開示する覚悟が必要だろう。精緻な買収監査でも分からない点もあるが、社長を見ればその会社の良し悪しが分かる。

 

 

 

社長も大事な会社を他人に譲りたいなら、誰に対しても正直な姿勢で交渉に臨むことが必要である。その際はもちろん人に見られたくない恥部も正直に話すことが必要だ。

 

後でこんなはずではなかったと言われたくないはずである。

 

息子も育ってくるとお互いが照れ臭く父子のコミュニケーションギャップが生じてくるもの。「男同士、あまり細かいことを言わんでも阿吽の呼吸だろ」は父の一方的な解釈。

 

息子が継いでくれるものと思い込んでいるが、息子はそんな気がないという例も時にある。でもそんな肝心な事は細かい事ではないだろう。

 

事業承継は会社を経営する上でのビッグイベントである。株主・後継者・従業員・取引先・金融機関など利害関係者は会社存続の為にみんなが一致団結して円滑な承継ができるようにしていこう。

 

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後継者不在でもM&Aで事業承継の道を!(中)

・・・・・続く

 

事業承継は、親族内の問題であるという意識や、外部に相談しにくい等の内面的な理由もあり、なかなかそういう話を自ら切り出しにくいものである。また周りの人間も縁起の悪い相続話や社長の座の交代を社長に進言しにくいようだ。

 

会社を共に支えてくれた役員や従業員などへ承継する親族外承継も選択の一つ。会社の成長に寄与してきた番頭や優秀で信頼できる従業員に事業を承継させることは、会社内部の事にも精通しており、従業員や取引先の理解と協力を得やすい。

 

しかし、金融機関が承認しない、株式の買い取り資金を準備できない、借入金の個人保証を本人が拒む、などハードルが高い。国の施策(経営者保証に関するガイドライン)で借入金の個人保証が不要となる支援策もあるが、なかなか難しいようだ。

 

変わる事業承継

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株式を保有せず、雇われ社長として経営をさせることは可能だが、先代社長が生存の内はいいとして、亡くなった後、あまり交流のない相続人との間に争いが生じたら経営がうまくいかなくなり、下手すると追放される恐れがある。

 

 

また事あるごとに、いちいち相続人など株主の意向を重視せざるを得ないので、経営の舵取りが難しい。裁量権がなく経営の自由度が低く、自分が思うような経営ができないという難点がある。その点から考えると、外部から社長を招聘するのはもっと難しく現実的には厳しいのが実情だ。

 

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今までは後継者不足により事業承継が困難になると会社を廃業する選択肢しかなかった。しかし、雇用の喪失やこれまで培ってきたノウハウ・技術を失う事は日本経済の大きな損失である。この損失を回避する為、これら有形・無形の経営資源を活用する為の円滑な事業承継策が色々と模索されている。

 

 

昔、500万社もあった中小企業も、今や358万社(2016年)と激減している。黒字経営なのに後継者不在の為に廃業せざるを得ないのはあまりにも勿体ない。また、従業員や取引先にも大きな迷惑がかかる。加えて、日本の経済を支える中小企業が減っていくことは、国としても大きな損失だ。

 

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中小企業では、①親族内に後継者が不在、後を継いでくれる役員や従業員がいないから事業承継の為に会社を売却したい②長年がむしゃらに頑張ってきたが、高齢になり体力と気力の限界を感じ、会社を売却してハッピーリタイアメントしたい。③会社を売却してその売却資金で新たな事業を展開したい。④資金力も含めた経営資源の豊富な大企業の傘下に入り、乏しい経営資源では実現できなかった事がやりたい。⑤コア事業に経営資源を集中する為、非コア事業を売却したい、など様々なM&Aへの動機がある。

 

事業承継の為のM&Aでの譲渡手法としては株式譲渡が殆どである。

 

 

株式譲渡では、贈与・相続・売却によるものと3つの手法があり、株式は会社の経営権・支配権を有するものである。自分の裁量で経営をしたければ、せめて特別決議が可能な67%は保有するべきである。もちろん相続税や遺留分などの問題もあるから、自分だけでが難しいなら自己グループで67%を保有できるようにした方がいい。

67%持てば大概のことは自分が判断し決断できる特別決議が可能である。

 

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特別決議では、定款の変更、合併や会社分割などを決定できる。その為、他の相続人には事業用以外の資産や保険金をうまく活用して不満の出ない相続財産の分割方法をしたりしなければならない。

 

 

もし事業用資産以外めぼしい財産がなければ、配当優先無議決権株式など活用するなど、工夫しなければいけない。新事業承継税制も活用し相続税や贈与税の猶予と免除も検討すべきである。

 

社長の地位を承継しても、自社株の67%を保有しないと、経営権全てを掌握できない。したがって円滑な事業承継とは後継者に3分の2の株式譲渡が必須である。

 

本当は、経営者が100%保有している状態が望ましいものである。その理由は、少数株主権をフル活用して経営の邪魔をしてくる者がいるかもしれないからだ。


・・・・・続く

 

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後継者不在でもM&Aで事業承継の道を!(上)

昔とは違い今はM&A(合併・買収)に対する抵抗感がなくなっている日本の経済社会。経営者の罪悪感もなくなり、今や経営戦略の一環や事業承継時の承継手段として積極的に活用している。

 

 

事業承継M&A「磨き上げ」のポイント

事業承継M&A「磨き上げ」のポイント

 

 

売り手は、事業承継や資金調達、コア事業への集中、自社の生き残りを目的としてM&Aを戦略的に実行する、一方で、買い手は周辺事業の強化など事業規模の拡大や新分野進出を主な目的として、M&Aを戦略的に実施する。

 

 

経営者の高齢化で事業承継をしなくてはならない中小企業が親族内に承継できないケースが増えている。少子化で子供がいない、いるのに子供が職業選択の多様化により会社を継ぎたがらない、子供に経営者としての資質や能力がない、といった事情があるようだ。

 

また父である社長も自分と同じ苦労はさせたくないなどの理由で、息子には大会社に就職させ、安定した生活を送ってほしいなどから、自分の代で事業を辞め事業を売却しようと考える社長も多い。その結果、35年前は親族内承継が85%だったが今や親族内は半数以下である。

 

 

そういった理由からも、多くの中小企業が事業承継で壁に当たっている。その為、役員や従業員などの親族外承継も検討するが、現実的には難しい面も多く、その結果、廃業の道を選択する会社も多かった。しかしここにきてM&A市場の発達からM&Aによる事業承継が増えてきているようだ。

 

 

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 中には他社に譲渡しても自社技術が活かされないからと自ら廃業する高収益会社もあるようだが、それらは別として、長年に渡り培った技術やノウハウは有効に活用することが望まれる。その為には、M&Aと言う手法を使ってでも事業を継続させねばならない。

 

 

 昔は後継者がいなければ廃業するしかなかった中小企業。その中小企業も今や技術力があったり優秀な従業員がいたりと企業価値が高ければ会社の規模が小さくてもM&Aの選択肢がある。逆に小さいからリスクが低く魅力があると大手企業や同業他社からの引き合いも強いようだ。

 

 

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20年前、中小企業社長の年齢のボリュームゾーンは47歳、20年後の今は66歳(2015年)とそのままスライドしている状態で、事業承継、つまり社長の若返りが一向に進んでいない事が数字に顕著に表れている。経営者の高齢化で2025年には70歳を超える経営者が245万社ある。

 

そのうち半数の127万社の後継者が決まっていない。これをそのまま放置すると、22兆円のGDPの喪失、650万人の雇用喪失など日本経済に大きな打撃を与えることになる。の先行きが不透明な状態に陥る懸念がある。事業継続を希望して後継者不足に悩んでいには何らかの対策を講じていかねばならない。

 

 

 

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中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化が進んでいるが、優れた技術や ノウハウ等を次世代に円滑に承継していくことは、日本経済の活力維持・継続 的発展にとって不可欠なことである。 しかし、「少子化のあおりで子供がいない、子供がいても価値観の多様化などで継ぎたがらない」等で、多くの経営者が後継者の確保・育 成に苦労しており、経営者にとって事業承継が大きな問題となっている。

 

 

またそういう事情で承継を諦めていたり、元々自分の代で終わるつもりで創業した、と言う経営者も存在する。その結果、中小企業経営者の平均引退年齢がますます高齢化している。特に小規模事業経営者は70歳を超えている状態だ。経営者が高齢化すると収益率が低下する傾向があることは数字に顕著に表れており、事業の競争力強化や地域経済に新陳代謝を促す為には若手後継者に後進の道を譲らなければならない。

 

 

多くの経営者が諦めている事もあり、事業承継に取り組んでおらず、この結果、経営者の高齢化が加速しているという悪循環に陥っている。高齢化が進むと気力・体力が衰え、考え行動する力がなくなってくる。ましてや一人で何もかもやっている中小企業経営者なら、日々の業務に忙殺され、事業承継など面倒くさい事は後回しになるだろう。

 

 

 

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自分の身にいつ何が分からない年齢なのに、もし急に明日事故にあったり、認知症になったりしたら、大変だから備えておこうといった意識がないようだ。

 

残された人達に何の引継ぎもなしに、急に亡くなったり、認知症になったら、会社は全く機能しなくなる。残された人達は路頭に迷うだけだ。

 

中小企業経営者は自分が総てを抱え込んでいる人が多い。脆弱な経営資源だからやむを得ないだろうが、自分不在でも円滑に会社が機能するような経営の仕組みを確立しておかなければならない。

 

・・・・・続く

 

倒産寸前の会社の起死回生策!

「物価の優等生」と言われて食生活には欠かせない「卵」。ここ数年は飼料価格が大幅に上昇を続け、卵の安定供給を保つための生産コストが上がっている為、値段が若干上がってはいるが、それでも昔からそんなに値動きがない食材である。

 

 

企業再生のための 経営改善計画の立て方(第2版)

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企業再生ファンド~不良債権ビジネスの虚と実~ (光文社新書)

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その卵を主力事業としてきたが、倒産危機に陥り先の見えなくなった会社があった。その会社の社長が起死回生策を打ち出し、それが功を奏して何とか復活できた話を聞いて感動したもの。

 

倒産危機から復活した卵販売会社だが、そこに至るまでの紆余曲折を乗り越えられたのは新たな着眼点による商品開発であった。他の食材が用途に応じて商品化するのに、その発想が欠けていた卵。単に卵を生産し市場へ供給するだけの卵会社が多かった。

 

 

 

それを、卵かけご飯用、製菓用、カルボナーラ用など、各仕様の卵を独自で開発し料理店に提案販売していったのである。それらは、資料や飼育に工夫を凝らし、その料理に合うように飲食店の調理長などと共同して生産したのだ。大衆卵と個々にカスタマイズされた卵の違いは明白だ。

 

私も卵は大好きな方で、卵を食べなかった日はなく落ち着かない。コレステロールが高いといったイメージのある卵だが、1日2~3個までは問題ないようなので栄養のある卵は好んで食べている毎日の食生活である。その毎日の食卓に欠かせない卵だが、「卵はどこの卵でも一緒。一緒なら安い方がいい。」という人も多いだろう。

 

 

 

「安全・品質・味」のこだわり続け、徹底した差別化を実現した卵会社は安売りと言う価格競争に埋没せず、一定の利益を確保できるから経営が安定しやすいものだ。

卵はよく食品スーパーのロスリーダー商品に使われ、「卵1パック100円」で顧客吸引力を高めている店は多い。そうやって非計画購買を促し客単価と客数のアップを狙っているのだ。そういった大衆者を標的顧客にした卵会社とは一線を画した戦略の会社は強い。

 

独自のこだわりで、鶏に与える餌や飼育環境と生産管理を徹底強化した会社の卵は一味違う。独自性と希少性があり、価格競争に埋没しない戦略だから収益管理も容易だ。

 

 

 

別の卵会社では自ら製菓店や自社製品を販売するカフェなど異業種に参入もしている。6次産業化(一次農業、二次生産者、三次流通業)で収益機会の多様化を実現している。旧態依然の経営から脱却した会社の競争力は高いものである。

 

 

(まとめ)

経営資源に基づく戦略論では、経営資源を『価値(Value)』、『希少性(Rarity)』、『模倣可能性(Imitability)』、『組織(Organization)』の4つの視点から評価するVRIO分析が重要である。これらから、企業が有する強みの質と市場における現在の競争優位性を見極め、持続的で競争上の差別的優位性を確保することが可能となる。

 

 

この復活した会社はこれらファクターをしっかりと把握した上で、戦略を策定したのだ。「絶対に再生する」という確固たる決意と効果の高い戦略策定による相乗効果だろう。それらが会社を大きく改革する原動力になったようだ。経営は経営者のやる気次第で栄枯盛衰が決まるのは当然である。その経営者の人柄やリーダーシップで従業員の仕事も変わってくるもの。いい勉強になる。

 

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いつまでも元気と思うな!中小企業の社長さん!

大阪市内に先祖代々続いた鍍金(メッキ)会社がある。今、事業承継の真っ只中だが、なかなかうまく承継できず苦労している。

 

 

その会社の業務内容は、週初めの月曜日に親事業者からメッキする部資材が納品され、週内(土日が定休なので金曜日まで)にすべてを加工し、翌週の月曜日に納品する。その際にまた今週加工する分が納入されるといったパターン化された取引で100%親事業者依存の鍍金工場である。

 

 

 

従って今週の納品された部資材を見て親事業者の景況感が分かる。少ない納品が続くと危機感を持ち、新たな販路を探さねばと浮足立つが、その親事業者からの納品量がすぐに安定するとその心配したことが嘘のように親事業者依存の経営で満足している。

 

 

作業工程は、部資材洗浄⇒メッキ⇒検品⇒梱包であり、洗浄以外は総て人手を介している。息子を5年前から入社させ、メイン工程であるメッキを教えながら担当させているが、どうも自分の子が頼りなく見えるのか、それとも求める技術水準が高度過ぎるのかいつもダメ出しをして息子をいつまでも一人前として認めようとしない。

 

 

 

息子も段々とやる気をなくして大きな壁に当たっているようだ。工場の上が家族の住まいになっており独身の息子も家族と一緒に住んでいるが、最近では家族の会話もなくなってきている。

 

 

息子も日に日にふてくされた態度を見せるようになり、そんな息子の態度がまた気に入らない父親。その感情的なもつれもあり、いつまで経っても承継がうまくいかない。

 

 

 

メッキ技術は何とか一通り教えたが、経営全般を教えるところまで行っていないのが実情だ。従業員は社員2人・派遣1人・社長親子2人の計5人で運営している。社長である父もいつまでも戦力として頑張っており、75歳になった今でも一向に引退しようとしない。自分の存在意義をみんなに誇示しようと、いつまでも後継者に道を譲らない社長である。

 

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奥さんや後継者である息子などはこれから先のことをじっくり話し合いをしたいと思っているが、遺言書も書かない、承継計画も必要性は理解していても場当たり的である。皆は言い出しにくく悩んでる。先日もその話を切り出そうとしたら血相を変えて怒る社長であった。

 

私に依頼が来たので間に入り、遺言書を書かず事業承継も中途半端にしていては会社が危機的状況に陥いりますよと事例を交えて説明した。でもそれでも他人事の社長。家族からは縁起が悪く気を悪くするから言いにくい、第三者でも私などそれを専門職とする人間は仕事で金が発生するから進めるのだとの警戒心も拭い去れないようだ。

 

説明する事例などは実際にあった話を分かりやすく丁寧にお話ししている。

 

普段から無口が頑固おやじが、ある日突然急死したり認知症になったりした為に会社が全く機能しなくなり廃業せざるを得なかった話などをした。

 

家族に自分の事をあまり語らなかった父が、実際にどの銀行にいくら預金があり、どれだけの金融資産や不動産を所有しているか家族の誰も知らない状態の家はけっこう多い。そういう人がある日突然亡くなったら残された者は右往左往するだけである。

 

 

 

また認知症になったら法律行為ができない現実も理解しなければならない。

今は元気だと豪語するが、明日いきなり認知症になってもおかしくない年齢。そうなると会社は機能しなくなる。自分不在でも円滑に運営できる体制の構築が社長の仕事だ。皆の為に万全な承継をしなければならない。それが当然の社長の仕事である。いつまでも出しゃばって自分の存在価値をアピールしても意味がない。

 

 

「備えあれば患いなし。」することをして後はゆっくり余生を楽しんでもらいたいものである。

高校野球の球数制限に物申す!

 

日本の夏と言えばすぐ頭に浮かぶのは高校野球「夏の甲子園大会」だろう。都会で働く多くの地方出身者が毎年、郷土代表を応援し、がむしゃらに頑張る高校球児に感動を受け、それが活力の源になっている人も多い。

 

その高校野球では、タイブレーク制の導入、休養日の設定、水休憩、球数制限と次々に選手の肉体に対する配慮から対策が講じられている。やり過ぎではとの声もあるが、一部の声の大きい意見に高野連も踊らされているようだ。

 

 

 

確かに地球温暖化、異常気象など地球環境が大きく変化しているから、昔と単純に比較する訳にはいかない。選手たちの野球環境には一定の配慮は必要だと思う。

 

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この球数制限を来年の選抜から実施するらしいが、球数にも配慮して試合を組み立てなければいけない監督は大変だし、見る側もめんどくさい。もちろんそのうち慣れるだろうが。また資金力のある私立の野球名門校に選手たちが偏り、公立高校には大きなハンデだとの声も強い。

 

そうやってその恩恵を受けようとする将来プロ志向の選手はそういう私立に行き、無難に高校野球を終え、プロへの道をと考える選手や父兄も多いだろう。一方で公立高校で野球する選手たちはその決められたルールの中で選手をやりくりしなければならないので大変だ。

 

 

 

只でさえ限られた部員数で試合に出場するだけでも大変なのにピッチャーを複数用意するとなると無理がある。有名私立校と試合をすれば歴然とした差がつくであろう。もちろん、そういう状態の中で歯を食いしばって頑張れば世論は応援してくれる筈だが。

 

今回の一連の動きにはNPBへの配慮もあるだろうと推測する。しかし何%の選手がプロにいくのだろうか。一部のプロを目指す球児の為に高校野球の醍醐味が犠牲になっているとの声も大きい。

 

 

プロを目指す選手たちとその父兄の声はチームを動かす原因にもなっている。ボーイズやシニアなどで硬式野球をした中学生達の父兄は高校進学の際に各校から勧誘がある。もちろん親も子供の経歴を重視するからブランド力のある甲子園常連校へ行かそうとするが、その時の条件として将来プロを目指すから球数制限の条件を付ける親も多いようだ。高校もその選手が絶対に必要だと考えたら要求を聞き入れるしかない。売り手と買い手の交渉力と同様に力関係がある以上やむを得ないことだ。

 

 

しかもその親たちは毎日のように練習を見に行き監視もしている、普通は高校クラスでは親は口出しできないのが普通だが、中にはそういう状態の高校もあるみたいである。時折、育成状況を時々監督も交えて確認するようだ。

 

親としてもここまで金をかけて野球をやらせてきたのだからプロに入れて投資回収をしたいとの強い動機が周りに批判を浴びているのが分からず、我が子を商売の商品だと思っているのだ。総ての野球名門校がそんな状態だということはないが一部そういう高校が存在するようだ。

 

 

 

事実、私の周りにもそういう親がおり、その親はいつも、「高校野球の甲子園大会は注目されてプロに入るきっかけづくりだから大事ではあるが、それで潰れてはプロで金を稼げなくなる。そうなったら今まで高い金を払ってボーイズで野球をやらせ、体づくりの為に飯を一杯食べさせてきたのか分からない。だから入ってくれと勧誘に来た高校の監督には、プロではピッチャーをやらせたいので、高校では野手の中でも注目される遊撃手にさせ、時々注目されるようにリリーフ投手をさせてくれるならそのお宅の高校に入れてもいい」と監督に高飛車に言っていた。

 

その子は日本一になった野球チームの遊撃手&投手だったので引く手あまたであった。そういう声が多いので言うことを聞かざるを得ない高校が多いのも事実である。高校も高校野球で甲子園に出ると入学希望者の数に反映されることが多く、甲子園出場は高校のブランド力強化には必須であるとの認識が根強い。だからそんなわがままを聞いても実力のある選手を獲得したいのである。

 

そういう選手や親が増えてきて高校も好条件で勧誘しようとするがそれらにも限度がある。その結果、各校が差別化された条件を提示するのではなく、最低限のルールを高野連に設定してもらった上で有力選手の獲得競争に奔走するのが得策と考えたとの声もある。そういう声の塊が高野連を動かせたのではなかろうか。

 

真意は定かではないがそういう争いはやめ純粋に高校野球ができる環境づくりが多くのファンは期待している。確かにどの協議も選手ファーストの流れでこれはもちろん必要だと思うが、ファンや応援してくれる人々に支えられた競技大会であることも再認識が必要だと思う。

 

 

 

羽生田文科大臣も、「仲間たちとの絆も大事にしなければいけないから、球数制限は難しい。」との意見だったが、私も同感であった。

 

 

今年のラグビーW杯では日本代表たちが、国の為に自らを犠牲にして頑張ってくれた事が国民みんなを感動させてくれたものだ。ラグビーをいい模範にして、魅力ある野球競技にしてもらいたい。

 

 

 

 

 

自分の適性と働く目的探しの転職は悪くない!

 

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昔は高度経済成長期、従業員は入社したらまずは会社に自分を帰属させ会社に忠誠心を持って自らを犠牲にしても会社の為に貢献していき、会社はその従業員を生涯に渡って面倒を見るといった強固な労使関係が確立されていたものである。

 

 

 

そして無用な社内での争いを回避するために年功序列制度を採用して、従業員達に長く会社で働けば時間の経過と共にスキルア法が図れ会社での位置づけも役職と共に上昇していくといった制度を定着させたものであった。

 

しかし成熟経済に入り、そういった制度をどの会社も維持できなくなり、人事評価も年功制度から能力制度へ変更。また能力はあっても発揮しない従業員が増えた事で実力主義と成果主義に変わってきている。人口減少による労働力不足に苦しむ現在も、再度、終身雇用や年功制度に戻ることはないだろう。

 

 

 

トヨタ自動車の豊田章男社長は今年5月に「終身雇用の維持は難しい」と発言しており、同社が日本型雇用の見直しに乗り出しているのは間違いない。トヨタは日本の企業を先頭を走るリーディングカンパニーの役割を担う企業だが、そのトヨタでさえこれからの終身雇用は難しいと言っている。

 

 

だから、他の企業も同様の考えを持つ事は避けられない状況になっているのだ。各社は、好業績なうちに早期退職を実施したり、優秀な新卒社員に対して高額の年収を提示するなど、従来の雇用形態にこだわらない対応を行うようになっている。終身雇用や年功序列を基本としたいわゆる日本型雇用は、本格的に解体に向けて動き出す可能性が高い。

そんな状況だから会社に尽くしても会社は生涯自分や家族を守ってくれない。

 

 

 

働き手も自己責任の時代だから、転職してスキルアップと人脈形成を図るのは必要になってくると思う。最近は、働き手の意識も大きく変わり出している。

 

リクルートワークス研究所による「全国就業実態パネル調査」によると、「これまで一度も退職したことがない」と回答したのは雇用者全体の31.8%で、正規雇用の男性は48.1%、女性は38.0%だった。非正規雇用では男性が15.2%、女性が10.9%となっているようだ。雇用者全体で見た退職回数は、1回が17.9%、2回が14.7%、3回が12.1%、4回が6.5%、5回が5.8%、6~10回が7.1%、11回以上が1.9%となり、これらのデータからも既に終身雇用の流れが衰退していることが分かる。

 

 

 

事実、私も2度転職をした。1度目は人間関係で離職、2度目はしたい事が出来たからである。1度目の人間関係による離職の時は、つまらない人間関係で神経をすり減らすなら環境を変えて思い切り仕事に専念したいと思ったからだ。

 

 

2度目は今やっている仕事を自分が天職として将来に渡ってやっていけるかと悩んでいる時、自分に合う仕事を探し出しこれは合っていると確信し、その道に進む為に離職したのである。

 

 

もちろん、どの仕事も長続きしないといった過度な転職は会社にとっても迷惑だし自分にとってもメリットがない。そういったことを踏まえて、自分の適性と働く目的を明確に定めたら、勇気を出して挑戦することは重要だ。たった一度の人生では後悔のない職の探索をしてほしいものである。