中小企業診断士/行政書士中村事務所

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従業員達に騙された素人経営者!(2)

いよいよリニューアルオープンを迎えることとなった。オーナーも仕事をスタッフに任せ、今日は店頭に立ちお客様への挨拶、運営サポートの為に出勤だ。店前には半径2km商圏内に実施した割引券付きのチラシ折込の成果があり長蛇の列である。それを見たオーナーはじめ従業員達に緊張感が走った。そして開店し、お客様が次々と入店されあっという間に満席である。元々この店の従業員であり作業は慣れている筈で、若干の修正をしての新オペレーションではあったが、それほどパニックになるはずがないだろうとみんな思っていた。

 

 

 

しかし実際は料理作りに時間がかかる、料理はできてもお客様の席に持っていけない、帰られた客席を片付けられず、次のお客様を案内できない、レジは釣銭ミスをする、などオペレーションが乱れっぱなしである。お客さんから苦情の嵐でオーナーも謝りっぱなしである。あれだけオーナーを交えて和気あいあいのメンバーだったのに皆がこのお粗末な対応の責任を擦り合いする。従業員達に遠慮していたオーナーも店長を叱り、店長も自分にそんなことを言われてもといった顔をして不機嫌になる。皆の関係がぎくしゃくしてきて店内も不穏な雰囲気で、お客様もこの嫌な雰囲気を察しているようである。お客さんからのクレームのオンパレードに疲れ果て、初日で嫌気さすオーナーであった。

 

 

店が終了し全員で反省会をするが、誰も疲れ果てているのか、思うようにいかなかった怒りのぶつけ先を探しているのか、誰も口を開こうともしない。飲食店の基本的な作業は日を重ね習熟度合いを高めていけば、何とか落ち着き、日を増すと共に上達してくるものである。二日目・三日目もクレーム続きの悪い対応だったが、日々、お客様を捌き慣れてくるとオープン三日間のようなムチャクチャな対応が何だったのかと思えるようにみんな上達してきた。だが初日で起きたぎくしゃくした人間関係は引きずっており、心底みんなを仲間と思えなくなっている従業員もいるようである。オーナーも三日間、店で働いていたがオープンキャンペーンも終了し、本業が忙しいこともあり、店は店長に任せ定期的に訪問して進捗状況を聞くこととして、今後の店長との分業体制を確認して帰った。

 

 

ド素人OLが飲食店を開業しちゃダメですか?

ド素人OLが飲食店を開業しちゃダメですか?

 

 

そしてそれからは本業が多忙との理由で店に顔も出さず、経験豊富な店長に店を任せっきりのオーナーである。オーナーも初めての飲食店の経験で出鼻をくじかれた感があり、ちょっと嫌気が差してきている。またこの店に対して自らが投資した分があまりないのでここで閉店しても最小限の損失で済むであろうという気持ちも出てきたようだ。たまに店を訪れてもいい事しか言わない店長だが業績は落ちる一方である。リニューアルオープンのキャンペーンで多くの来店客からのクレームがそのまま酷評となって地域に浸透したのだろう。極端に客足が途絶え売り上げ低迷が続いた。業績にも適当な言い訳をし、裏付けのない収益計画を示すと共にやる気をアピールする店長。色々な言い訳で不振の理由を説明してその場を誤魔化すが素人オーナーには理解不能だ。

 

 

 

取りあえず店長のそのやる気に期待して、しばらく店を続ける覚悟をしたオーナー。だがとうとう店は最悪の状態に陥ってしま他のである。売上金や食材の不正流用、無断欠勤とやり放題だ。結局半年で店舗売却。店を他人に任せるなら相当なチェック機能が必要である。

特にこれからはキャッシュレスの時代になるだろうが、現金主義の日本ではその実現には時間がかかるのが実情だ。現金を扱う業務を他人に任せるのであれば性悪説でとらえていかなければ大変なことになるであろう。本当は人を信じて任せたいものであろうが、なかなか難しいものである。