中小企業診断士/行政書士中村事務所

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日本の消費者の消費行動は欧米とは違う!(下)

・・・・・続く

 

日本の生活者は、食べ物の「鮮度と多様性と旬」を評価する。その結果、第一に、独特の買い物行動が生まれる。鮮度の高い食材を求めて、ほぼ毎日買い物に出る。欧米のように週末に自家用車と大型冷蔵・冷凍庫という大量購買・長期保存の手段がほとんどの家庭に普及したが、高い買い物頻度の習慣はそれほど変化しない。第二に、食への繊細な好みを背景にブランドが食を支配する。

 

 

サービス小売業で活路を開こう: 売上げ日本一ではなくサービス日本一を目指す (MyISBN - デザインエッグ社)

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絶望を希望に変える勇気

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たとえば神戸の霜降り、京の野菜、明石の魚、泉州の水ナス、新潟のこしひかりといった、

「ブランド・レベル」で識別し、それらブランドへの信頼は、強まりこそすれ、薄れる気配はない。こうした食文化が、独特の小売り活動を要請する。第一に、日々変化ある店頭への要請。それに応えて、小売店での商品入れ替えスピードは速い。第二に、地域ごとに異なる食材ニーズに応える店対応への要請。ローカル・スーパーが大手総合スーパーに対して互角の勝負をしているのは、これらが要因だ。

 

「標準化された商品の週に一度のまとめ買い」や「Every Day Low Price」を標榜する欧米大手小売企業の戦略では、そうした要請に応えることはできない。食文化の伝統は、まさに独自の小売業を生み育て、そして海外からの参入障壁となっている。

 

似たような事例に綿工業がある。イギリスに100年遅れてスタートした明治期の日本の近代化。当のイギリスは、産業革命を契機とし綿工業の生産力を高め、19世紀から20世紀にかけて世界の市場に進出した。その圧倒的な力による攻勢に耐え、逆にアジア市場で主導権を奪ったのは日本の綿工業であった。100年遅れてスタートしたにもかかわらず、日本の綿工業は、どうして巨大な生産力と販売力を併せ持ったイギリス綿工業に対抗できたのか。

 

決め手となったのは、日本をはじめとする東アジアの衣服における文化・伝統による障壁の存在であった。同じ「綿」と言っても、生活における使い方や役割は、西欧と東アジアとでは大きく違っていた。イギリス産綿布は、いわば夏物といってよい薄地で、絹のごとくすべすべしていた。他方、国産綿布は堅牢で、冬の寒さを防ぐ厚地であった。この品質・用途の違いのために、イギリスの綿はその生産力にもかかわらず、日本・東アジア市場を席巻できなかったというわけだ。

 

最後に、わが国小売業は、半世紀の近代化の中で、品質に対して厳しい消費者に鍛えられ、経営力を高めてきた。「失われた20年」と揶揄されたが、そのデフレの中でも採算がとれる供給体制の確立で競争力を高めた流通企業は多く存在する。

 

各社は努力を怠ることなく、消費者の来店頻度と客単価の向上に向け様々な取り組みを行なっている。(1)多数チェーン店舗のマネジメント力。(2)多頻度小ロット高精度の垂直的システム統合のマネジメント力。(3)日本社会に欠かすことができない生鮮品の鮮度管理技術。(4)地域の人々の気持ちに入り込む地域密着マネジメント。(5)多業態・多様なサービスを抱え、地域開発に応える全社マネジメント力。

 

これらを徹底し続けた企業が持続的な 競争優位性を確保し、市場に於ける存在感を増してくるだろう。

 

高齢単身世帯者の増加で交通弱者・買い物弱者が増大することが予想される。そうなると従来の購買行動が変化してくるであろう。駐車場を備えた大型食品スーパーより近隣のコンビニストアの方がそういう弱者である高齢者には利便性が高くニーズも高まるであろう。

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そういう社会背景を踏まえて流通業は創意工夫がより一層求められることとなる。

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