中小企業診断士/行政書士中村事務所

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事業承継は待ったなしだ!(7)

6)信託の活用

■ 事業承継に遺言代用信託を活用するメリット

(遺言代用信託の活用イメージ)

経営者の意思をその死後も確実に実現できる 信託は、信託契約の定め方によって自由な設計が可能。事業承継に対する経営者の意思、希望をその死後も反映させることができる。  中でも、事業承継に活用される信託として「遺言代用信託」があります。 これは、経営者が死亡した場合の株式の承継について定めることがで きるので、遺言と同様の効果が得られます。

 

 

設例で学ぶオーナー系企業の事業承継・M&Aにおける法務と税務

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認知症への対策としても有効  経営者が認知症等になった場合に信託の管理権限を後継者(受託者)などに移転することとしておけば、そ のような場合となったときは、自社株式等の信託財産は契約に基づいて管理されるため、経営者の意思を確実 に実現できます。

信託や種類株式(属人的株式) は、認知症等で経営者の判断 能力が低下した場合の対策と しても注目されています。

経営者が後継者による受益権の 取得を設定 後継者が確実に経営権を取得 受託者が株式を管理 第三者に株式を譲渡するリスクを防止 経営者の死亡と同時に後継者が 受益者になる 遺産分割等による経営の 空白期間が生じない

 

 

7)種類株式の発行

 

「議決権がない」株式も発行できる。会社法により、会社の個別的なニーズに対応した様々な種類株式が発行できるようになった。事業承継での経営権の分散リスクを防止するために種類株式を活用するケースが広がっている。

経営者の相続財産の大部分を株式が占める場合、後継者に株式を集中させると、他の相続人から遺留分減殺請求が行われる可能性がある。そこで、後継者には普通株式を相続させ、他の相続人には無議決権株式を相続させることで、遺留分減殺請求による株式(議決権)分散リスクの低減を図ることができる。

後継者以外の株主には無議決権株式を⇒後継者以外の株主が保有する株式は議決権を持たない無議決権株式にしておくことで、株主総会での発言権がなくなり、会社の意思決定がスムーズになる。また、後継者以外の株主に相続が発生した場合には、相続後に保有する議決権割合が5%未満ならば、株価評価で配当還元方式を適用でき、相続税評価額の軽減が期待できる場合がある。

 

議決権制限種類株式株式の議決権を制限。 後継者には議決権のある普通株式、後継者以外の相続人には無議決権株式を相続させることで、遺留分減殺請求による株式(議決権)分散リスクの低減を図ります。

譲渡制限株式

株式の譲渡について会社の承認を必要とします。 会社にとっては望ましくない第三者に売却しようとした場合、会社(株主総会や取締役会)は これを承認しない判断をすることにより、株式の分散を防止することができる。

取得条項付種類株式

株式の取得条項を付す。 「株主の死亡」を取得条項としておくことで、株主が死亡した場合には会社がこれを買い取る事とし、株式の散逸を防止することができる。

 

 

8)相続した株式を会社に売渡すよう請求

相続人等に対して自社株式の売渡しを請求できる  あらかじめ定款に定めておくことで、自社株式が相続や合併等で移転した場合、会社は自社株式の新たな所 有者に対し、会社へ自社株式を売り渡すよう請求することができます。

 

(定款例)自社株式の売渡しを請求定款 第○条 当社は、相続等によ り当社の株式を取 得した者に対し、株 式を当社に売り渡 すことを請求できる。

 

 

売渡請求は、後継者以外の株主が後継者に対しても行うことができる。 売渡請求を受けた株主(後継者)は利害関係者として、売渡請求にかかる事項については株主総会で議 決権を行使することができない。後継者が自社株式を相続する時に、会社の経営権の獲得を狙って売渡請求を行う株主が現れる危険性があるので要注意!

 

9)持株会社の設立

後継者が持株会社を設立し、事業会社からの配当による返済を前提に金融機関から自社株式の買取資金 の融資を受ける。持株会社は事業会社の株主となり、経営者には自社株式の譲渡の対価として、現金が残る。相続では、相続財産は自社株式ではなく現金となるため、遺産分割での自社株式の分散を防止できる。

 

10)自社株買いに関するみなし配当の特例

 

相続により取得した自社株式の自社への譲渡は課税が軽減される  自社株式(非上場株式)を相続した後継者以外の相続人が「相続税の申告期限から3年以内」に自社に 株式を譲渡した場合、みなし配当課税(最高税率55.945%)を適用せず、自社株式の譲渡所得について譲 渡所得課税(税率20.42%)がなされる。

 

 

 

11)名義株・所在不明株主の整理

平成2年の商法改正前までは、株式会社を設立するために は最低7人の発起人が必要だった。各発起人は1株以上の 株式を引き受けなければならなかった為、当時設立された株 式会社では設立当初から株式の分散は一般的。 この商法の規定等を背景に、他人名義を用いて取得された、 いわゆる名義株が存在する中小企業は少なくない。後に名義株主が権利を主張し、会社の経営者との間で紛争となることがある。株主名簿の整理を行い、名義株が存在する場合に は、名義株主との間で権利関係を明確にしておくことが必要だ。M&Aの交渉で不利になることもあるので気を付けよう。

*5年以上継続して会社からの通知が到達しない株主が所有する株式は、公告・通知といった会社法上の手続きを経て、会社が 処分(競売・売却・自社株買い)することができる。

*株主名簿上の株主の所在が不明となっているケースがある。所在不明株主の存在は、株主権が突然主張されるリス クがあるほか、M&Aでは、すべての株式を譲渡先に譲渡することができないため、譲渡条件が不利になることもある。全株主の同意が必要な行為や株主総会の招集通知等の手続きを行うためにも、株主の所在を把握しておくことが必要。

 

12)特別支配株主による株式等売渡請求

議決権90%以上を保有していれば売渡請求ができる 。株式会社の総株主の議決権の90%以上を有する株主は、他の株主の全員に対し、その保有するその会 社の株式の全部を自己に売り渡すことを請求できる。

 

 

 

 

以上です。

 

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