中小企業診断士/行政書士中村事務所

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人手不足の中で知恵を絞って生産性を高めよう!

中小企業に於いては人手不足が深刻化し、労働生産性の伸び悩みが顕著である。人手不足で一人当たりの負荷の最大化で一瞬は生産性が伸びるが、オーバーワークによる離職者の急増や人手不足の為に機会損失が生じるなど売上の低下で、ますます生産性が下がりつつある状態だ

 

リーマンショック後の2009年以降は大企業と中小企業の生産性の格差は拡大傾向にある。因みに大企業の一人当たり生産性は1.300万程度で中小企業は半分以下の550万と格差がある。

 

業種別に大企業と中小企業の差異を分析すると、製造業の差が大きく、卸・小売や宿泊・飲食などの差はあまりないようである。こういった労働集約型の産業における生産性が低いのはサービス産業における生産性の低さがそのまま数値として移行しているようだ。日本経済の将来を考えるうえで、今後の労働生産性の水準は最も重要な指標の1つである。

 

また視野を広げてOECD加盟諸国中(35国)を見ると日本は21位と低い位置にあり、首位のアイルランドの半分程度の水準である。この労働生産性の水準はアメリカの3分の2程度にすぎず、先進7カ国の中で最下位の状況が続いている。

 

将来にわたって労働力の減少傾向が避けられない日本において、今の経済規模を維持していくためには、労働生産性の向上が不可欠であることは間違いありません。AI(人工知能)やRPA(ロボットによる業務自動化)を活用しながらオートメーション化を進めていく方向性、あるいは、生産性が低い産業から生産性が高い産業へと投資・人材を移動させていく方向性など、生産性を引き上げる為の活動が必須である。

海外で稼ぐ企業が増えるほど、日本の生産性は低下するというが、今後「米中」「日韓」の貿易戦争が輸出入にどう影響し、生産拠点をどう変更せざるを得ないかに注目が集まる。

 

年々、日本企業の稼ぎ方は大きく変わってきている。かつての日本の製造業では、国内で自動車や家電を造り、それを海外に輸出するのがお決まりのパターンだった。だが今は、現地のニーズに合わせるためだけではなく、生産効率をいっそう高めるために、現地での生産を大幅に増やし続けている。

 

大企業・中小企業にかかわらず、生産性が高い企業ほど、海外生産に工場を持つようになっているのだ。グローバルに活動する企業は、収益性を可能な限り高めるために、最適かつ効率的な投資をつねに心がけ、グローバルソーシングと共に世界最適生産体制の確立をスローガンに上げている企業も多い。

 

日本企業の海外への直接投資の残高は、2018年9月末時点で185兆円にまで拡大し、過去10年間ではアメリカやアジアを中心に3倍近くに増えている。製造業の工場建設や小売業の拠点新設に加えて、M&A(合併・買収)の件数も年々増加している。

 

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その結果として、日本企業の海外での稼ぎを示す直接投資収益は、2018年に初めて10兆円の大台を突破し、日本企業は昔のように輸出依存ではなく海外展開を進展させることで現地で稼ぎ、その収益を日本国内に戻すビジネスモデルが確立されてきている。

 

だからグローバルに事業を展開する企業が海外で賃金の安い従業員を雇い、高い付加価値を生み出していたとしても、それは国内の付加価値額には加算されない仕組みになっているから日本の生産性が低くなっている面があるのである。

 

また、日本は小規模零細企業の割合が圧倒的に高いという弱みがある。日本の会社の99.7%は中小企業だが、その中の85%は小規模企業でありの本の会社のほとんどが小規模零細企業なのである。特に卸売業・小売業などのサービス業では、アメリカ、ドイツ、イギリスと比べて小規模の企業の割合が高く、これらが原因で生産性を下げている点は否めない。

 

また日本では中小企業が支える雇用の比率が70%前後だが、アメリカでは50%前後、ドイツやイギリスでは60%前後と日本より低い状況にある。その為に、日本の中小企業はアメリカの中小企業と同じ付加価値を生み出すために、2倍以上の従業員を雇用しているということになる。(中小企業白書より)

 

上記の分析結果から見て取れるように、今後の中小企業の生産性向上に於いては取り巻く環境変化から先行きが不透明になっている。そういった中で他社の取組みをよく観察し自社でも導入可能か否かの判断、その費用対効果も含めて決断し会社の体質を変えないといけない。

 

同時に人手不足対策では特定技能制度が活用できるなら積極的に導入し、後はシニア・女性など多様な労働力を活用できる仕組みを確立しなければならない。とにかく付加価値を高める経営を実践し、必要人員の確保と最適配置、効率性を追求した業務マニュアルと公正な評価と適正な処遇で労働意欲を高めて生産性の高い企業を目指さなければいけないだろう。