中小企業診断士/行政書士中村事務所

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「企業は人なり」この当たり前のことをどこよりもうまく!

「企業は人なり」とは誰もが知っている言葉。分かっていながらも従業員をモノ扱いにする中小企業の社長。その中には従業員に対して「働かせてやってる、生活させてやってる」と、この人手不足の中でも高飛車な姿勢の社長もいる。従業員は組織の歯車でも感情を持った歯車であることの認識が必要だ。

 

 

危機は人なり―一流企業を蝕むゾンビ症候群 三菱商事エリートが警告! (1983年)

危機は人なり―一流企業を蝕むゾンビ症候群 三菱商事エリートが警告! (1983年)

 

 

また、いつ立場が逆転するか分からないので、普段からの行いも大切。従業員も社長に対して「今に見ておれ」と思っている。

 

例えば、急ぎの仕事が入り人がいないと機会損失が発生してしまう場合、普段モノ扱いしている従業員に、「残業してくれ」と頼んでも普段から社長を良く思っていない従業員は、協力しようと思わないだろう。

 

いろいろ言い訳をして断る従業員に「会社が忙しいのに手伝わないなんてお前たちはクビだ」ということもできない社長は孤立無援の中でやらなくてはならない。

 

社長は孤独なものとはよく言うが、自らが孤独になるように導いているのである。

 

 

私が以前お世話していた中小企業(メッキ業)は従業員とのコミュニケーションが下手な社長であった。

 

仕事中も従業員と会話することはなく、朝の8時から12時まで、昼休憩1時間取ったら13時から17時まで、みっちりと仕事をさせる、きっちりとした堅物社長であった。

 

昼休憩も時間になったら、自ら工場内照明を消して、従業員達は休憩所に持参の弁当、自分は工場の上が住居になっているので家に帰り食事をとる。

 

そして13時になったらみんなが工場で決まった仕事を17時まで全く休憩もなく、黙々と作業をやらせる。

 

そして17時になったら作業を終了し、みんなが「お疲れ様でした」とだけ挨拶をして、他に口を開くことなく、帰宅する毎日である。

 

ロボット同士が働いているようで、とても血の通った人間たちの協働組織には見えない。

 

またこの会社は、会社が繁忙状態でも絶対に残業はさせなくていいように、工程管理をきっちりしている。

 

 

 

残業代を絶対に払いたくないようである。従業員達も残業がなければ、この少ない給料ではやっていけないと各自が不満を言っている。

 

でも従業員達が結託して会社に反旗を翻さないように、常に従業員達の言動には目を光らせており、どこかに盗聴器を仕掛けそうな姑息な社長である。

 

常にそういうことだけには、細心の注意を図っている社長で、従業員達もどこかいい職場があれば辞めたいといつも思っているようで、常に求人誌が休憩室にある。

 

夏と冬は基本給の1か月程度のボーナスをそれぞれ支給するが、業績低下時には無理をして従業員の為に支給するという意識がなく、当然のように減らすようだ。

 

そのボーナス時に従業員達も、直近の暇な状態から、ひょっとしたら今回ボーナスの減額があるのではないかと警戒していたが、社長が新車に乗り換えたのを見て、今回は無理して出してくれるのではと甘く考えていた従業員達。

 

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その期待を見事に裏切るケチ社長はさすがだとみんなが苦笑いと共にあきれた様子だ。従業員にしたら繁忙時にはフルに働かせても時間内に終わらせて残業させない、どれだけフル活用しても規定の一か月分のボーナス以上は出さないという、ケチ社長にはとことん嫌気が差しているようである。

 

 

 

自分から従業員の家族のこととか世間話をしようとはせず、従業員のことなんて全く構っていない社長。だから、従業員が社長に情を感じたり、会社にお世話になっているから感謝したりという事はまずない労使関係だ。

 

 

長期休暇に旅行に行っても従業員は会社に土産を持って行かない、社長も従業員達に土産の一つもない。なんかそれらを見ていてむなしく感じるものだった。

 

私もコンサルタントの立場として、社長には従業員とのコミュニケーションをもっと活発にして全員一丸となって、また家族経営主義を持ってこの厳しい競争環境を勝ち抜かなければと社長に直接話をする。

 

そして業績連動型の報酬制度も採用して従業員達と労働意欲の喚起を促す人事政策の導入を提案するが、人にいい思いをさせることがどうも嫌みたいで聞く耳を持たない。

 

なんで社長をやっているのか不思議な人である。社長本人に従業員への投資をする気がないので会社が成長する訳がない。しまいには私のコンサルティング代にまで出し渋りをしてきたので顧問契約を解除することになった。

 

 

そしてその会社は私が去って半年後に手形の不渡りを出し、破産申し立ての準備に入った。従業員達も私が去ってその翌月には皆が職場を去ってしまったようであった。結局、自分で自分の首を絞めた社長であった。

 

従業員達を家族のように大事にしない会社は、いざという時に誰も助けてくれない。そんな人は社長をやるべきではないとつくづく思ったものである。

 

労使が良好な関係を維持し、困った時に助け合うのは当然の事、生産性向上を目標に協力関係を強化せねば会社が生き残ることは困難であろう。

 

「企業は人なり」を認識しなければ!