中小企業診断士/行政書士中村事務所

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建設現場事故の示談交渉は大変(1)

以前、大手ゼネコンが起こした事故の示談交渉を手伝った。

 

大企業だけに被災者も千載一遇のチャンスとばかり高額の賠償金を請求してきたり、「身の回りの世話をあれこれしろ」と無理難題を要求してきて困ったもの。できる事とできない事を明確に伝え説得するのに一苦労だった。

 

大企業ほど社会通念上の妥当額しか出さないもの。顧問弁護士も相当な人ばかり、総務部や法務部もレベルの高い人達を揃えた大組織なので簡単に要求が通る訳がない。また多くの人が関与し、一度変な前例を作ってしまうと後々が大変だ。

 

 

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大手ゼネコン側も早く示談がしたいから、被災者の要求にある程度は応じるが、それ以上は裁判でという強固な姿勢を崩さない。中途半端な規模の会社の方が要求が通るものを学習したものだった。

 

 

 

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どういう示談交渉だったかをお話しすると、

 

 

ある大きなビルの解体工事で撤去する予定の

コンクリートの壁が崩れ、3人の作業員が

生き埋めになってしまったのだ。

 

他の作業員全員で救出すると共に、救急車の要請と

 

現場は混乱を極めた。

 

事が事だけに警察やマスコミで現場は大変な状態になっている。

 

SNSで現場の状況をツイートする人やTVのニュースで

流れたこともありあっという間に現場を野次馬が囲んだ

 

救出された3人は意識がなく血だらけの状態で救急病院へ

搬送された。

 

ここからが想像を絶する悲劇の始まりである。

 

三人はそれぞれ違う救急病院へ搬送された。

 

意識不明で中にはスコップが体に突き刺さったまま

 

搬送された被災者もいた。

 

現場は混乱を極めており、警察対応する者、事故の後片付けをする者、

 

病院で待機しながら状況を報告する者と別れたが情報の錯綜状態が

 

とにかく大変であった。

 

三人の建設作業員は独身者二人、家族持ちが一人であった。

 

家族持ちには奥さんに連絡を取ろうとしたがなかなかつかまらない。

 

 

 

三人は集中治療室で緊急手術を行ったが、中には危険な状態の

 

人もいた。

 

手術は長時間に渡った。

 

現場は野次馬、警察、救急車、レスキュー隊など相当の人だかりである。

 

テレビのニュースやSNSによる投稿などで瞬時に事故のニュースが伝わり

 

時間の経過と共に野次馬の数が増えて行った。

 

3人の状態は重体で手術に要する時間も相当長くなっている。

 

ようやく妻帯者の奥さんと連絡が取れ、奥さんが血相を変えて

 

病院に到着した。

 

 

 

5時間程度が経過した時、三人ともやっと手術が終了し、三人とも

 

命に別状はないとの事で関係者全員が安堵の表情を見せた。

 

三人とも意識がもうろうとした状態で会社関係者が付き添いとして

 

残り、世話をすることになった。

 

三人とも100%被害者であり、ここからいかに誠意を見せて円満に

 

示談するかが勝負である。

 

三人とも千載一遇のチャンスとばかり高額の賠償金を求めてくるであろう。

 

想像しただけでぞっとするが、何とか丸く収められるように努力するしかないのだ。

 

三人とも建設現場の作業員。

 

Aさん=25歳・独身、Bさん=35歳・独身、Cさん=妻帯者37歳

 

職業で差別する訳ではないが、ややこしい人が多い職種である。

 

手術後で、直接お話をすることはできなかったが、術後の痛々しい姿を

 

見て気分が悪くなった。

 

 

 

お見舞いの品を置いて今日は帰ることにしたが、妻帯者のCさんには

 

奥さんが付き添いでおられたので謝罪と今後の事について

 

お話をさせてもらうことにした。

 

我々が奥さんに対し謝罪した後、「今後は可能な限りご希望に即した対応を

 

させてもらいます。今は治療に専念して頂き一日も早い

 

社会生活復帰を実現できるように我々も精一杯応援します。」

 

と抽象的な挨拶をすると、奥さんは

 

「もう主人の体は100%元には戻りません。後、20年は働いてもらうつもりで

 

いたのに、こんな体ではもう働けない。私達家族はどうやって生きて行けばいいの

 

か。」と泣き叫ばれた。

 

・・・・・・続く