中小企業診断士/行政書士中村事務所

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現金商売の飲食店では着服防止の仕組みが必要だ!(上)

飲食店での問題は売上の着服である。店の規模が大きくなれば、現金売上も多く、その分着服しても分からないのではということで思わず魔が差してしまうようだ。いくら最新のPOSレジを導入しても必ず盲点があり、着服する人間に限ってそれを見抜くのが上手い。

 

 

着服する人間は、やり続ける内に感覚が麻痺し、店の金と自分の金の区別がつかなくなる。月に一度の給料とは別に、毎日が給料日になっている。店の管理者としては、キャッシュレスをより推進していく事が大切になってくる。

 

 

 

昔、私が外食チェーン企業に勤務していた時、本部マネージャーとして担当していた直営店の大型焼肉店がある。その店は大阪ミナミの一角に立地していて、営業時間は11時から深夜2時までで年中無休であった。

 

社員は、店長・調理長・主任・一般社員時計7人でP/Aを含め総勢50人の店である。私もその店の店長を2年務めた経験がある。長時間営業なので、シフトを組み運営するのだが、主任がいつも深夜を担当する偏ったシフトになっていた。

 

ある日、「何故、深夜ばかり入っているんですか」と聞くと、「深夜の方が客も少なく気楽でいいし、深夜手当ももらえるから気に入っている」との事であった。私よりも業歴の長い45歳のベテランではあるが、どうもこの会社での出世を諦めているのか覇気を感じられない人であった。そんな考えの人もいるのだなと思いながら、特に気にすることもなく、どちらかと言えば、深夜を嫌う社員が多いのでシフトを組むときは助かっていた。

 

 

 

この店は芸能人やプロ野球選手の来店も多く、春場所になれば相撲取りなど大相撲関係者も多く来られるTVや雑誌でも良く紹介される収容人数300人、5階建てのビルである。売上は年商(平均)4億円・月商3.300万の店である。これだけの規模だと人・モノ・金といった経営資源の管理も一苦労であるが、何とか問題なく運営できていたと思っていた。

 

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しかし、何気ない日常会話から驚くべき真実を発見することがある。ある日、その深夜ばかりやってくれている主任を労いに店に行った時、一緒にお茶を飲みながら話をした。すると、深夜メンバーの学生アルバイトを頻繁に飲みに連れて行き、仕事へのモチベーションを高めていると聞いた。

 

そこまでやってもらっているのかと驚き、主任に感謝の気持ちを伝えた。深夜のバイトにも聞くと、「ほぼ毎日のように飲みに連れて行ってもらえて、この職場は本当に楽しい」と深夜に働くことを苦にすることなく積極的に深夜帯に入ってくれるバイトにも頭が下がる思いであった。

 

その後、本部に帰り、上司にそのことも含めいろいろと話をしていると、その上司から、「主任クラスの給料で、バイトを連れて高いミナミで豪遊することができるのはおかしいな」と指摘され、人のいうことを信じすぎるといった単純な私も、頭を打つ思いだった。

 

 

 

そして早速調査に入ることにした。POSレジを使用しているが、どんな不正ができるかレジ会社の担当者も呼び、レジを徹底的に調べた。定型業務としての会計処理としては、毎日レジ閉めをしたら、日報と売上伝票などを社内便で送るようになっており、POSレジのジャーナルは月ごとにまとめて送るようにしている管理の仕組みであった。それを経理がチェックするが、あくまでも売上のチェックのみである。他の業態も含め、100店舗近い店があり、少人数の経理もすることには限度があるのだ。

 

 

 

正直な話、1日100万位の現金売上があれば、2~3万レジから抜いても誰もわからない。厨房伝票とホール伝票を照合させるまではしていなかったのでザル状態であったことは否めない。

 

 

 

取りあえず直近1ヶ月分を本部で伝票ごとに調べることにした。案の定、ホールのフード伝票とキッチンのフード伝票が毎日3万程度の差異を発見した。

 

   

レジ会社の担当者とレジの機能を確認したら、一括指定取り消しというキーがあり、伝票丸ごとレジから消去でき、それをすれば、お客様が会計の際、その電溶を呼び出してご利用代金だけ示し、金銭授受をした後に一括取り消しをすれば、レジ売上に集計されず、レジの中にはその伝票のお金だけが残るようになる。

 

焼肉店の単価は高いから、一組3万程度のお客さんの伝票を毎日一件、取り消して現金を着服していたようである。とんでもない事件発生に驚きを隠せない状態であった。

 

・・・・・続く