中小企業診断士/行政書士中村事務所

頑張る中小企業と中小企業診断士/行政書士の資格取得を目指す人を応援するブログです。

自立した中小企業の成長発展(下)

・・・・・前回より続く

 

日本の下請企業は、個々の部品を相互に調整・最適化しながら統合し、機能を発揮するように製品づくりを行う「擦り合わせ型」技術を得意としているのに対し、生産性向上の為に、製品を部品ごとに分割、生産し、部品のつなぎ(インターフェース)の部分を標準規格化することで、単に部品を組み合わせるだけで製品が完成する「統合型」の生産体制が世界的に進んだことも、下請比率の低下につながったとみられている。

 

 

 

 

一方、元請けは運命共同体として下請けを系列化していたので、下請けの技術もノウハウも自分たちが勝手に使えるものだとの思い込みが激しい。円高が進行するたびに大企業は工場を海外にシフトした。中小企業は大企業の言う通りに仕事をするだけでは生きていけない時代になり自立を要求されるようになった。

 

生き残るためには独自性を発揮して、別の分野に進出しなければならなくなった。そのためには自分たちが持っている技術やノウハウを活用しなければならない。その結果、盗まれてはいけない時代になったのである。

 

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大企業の部長クラスは中小・ベンチャー企業は「自分たちの下請けだ」とずっと教えられてきた。下請けが持っているものは自分たちのものだと、今も思っている人は多い。その意識は簡単には変わらない。中小企業は時代の変化とともに意識も変えないと生き残れないので必死ですが、多くの大企業の社員の意識は、都合がいいことに昔のままだ。

 

 

今、日本でオープンイノベーションが必要になったのは、大企業から革新的なイノベーションが生まれにくくなっていることが一因である。大きな組織で新しい取り組みを始めるには、稟議を通すため、多くの幹部社員から承認されねばならない。

 

みんなに承認される提案は、革新的な提案にはならず、無難で優等生的な提案となってしまうもの。革新的なイノベーションを生み出すには前例否定が重要だが、それを幹部社員に認めてもらうという事は、幹部社員が自らを否定することになるので困難を極める。またリスクを恐れる保身的な幹部社員はあまり前例のない奇抜な発想から生まれる新たなことに対しては拒絶してしまう傾向もある。

 

 

 

中小企業は大企業とはスピード感が違う。中小企業の特性である小回り性・機動性を最大限に発揮するのが特徴なので、社長は物事を即決する。大企業よりも小さな組織のほうが新しい技術やノウハウを生み出しやすい。だから経済産業省なども、中小・ベンチャーのほうがイノベーションを生み出すのではないかという考えに変わってきているから。だからこそ、特許法改正などにも取り組んでいるのである。(参考文献:中小企業白書)

 

このように時代錯誤的な親企業を「反面教師」にして優良企業を目指さねばならないだろう。確かに資金調達の際、金融機関の融資は、すでに販路を持っている下請け企業等の方が貸手にとっては返済リスクが低いので有利である。

 

 

 

販路が不確定な中小企業は顧客基盤が脆弱な為に不利に働くこともあるかもしれない。だから、結果的には下請け構造の固定化につながっているのだろう。金融機関の理解を得る為に精度の高い事業計画書を作成しなければならない。

 

中小企業が、下請け依存から脱却し自立するためには「顧客志向」が最も必要なのは当然になってきている。エンドユーザーの立場でいかにものを考えられるかが重要である。

 

 

 

今までは親企業に向けて出荷したら仕事の終わりであったが、自立した中小企業を目指すなら市場全体を観察・分析し、ニーズに合致した製品を自社ブランドを冠して供給する仕組みを確立しなければならない。その為には強みである技術を磨くのは当然の事、自らがマーケティン活動を強化しなければならないであろう。

 

中小企業の目指すべきマーケティングは、ワン・ツー・ワン・マーケティングである。このワンツーワンマーケティングは、大企業よりも顧客数や種類が限られる中小企業の方が実践しやすいはずである。このマーケティングの良し悪しが企業の栄枯盛衰の分岐点となる。元請けの言う通りに動いていれば飯が食えた時代はもう終焉したのだという自覚を持って経営に励んでほしい。