中小企業診断士/行政書士中村事務所

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居抜き物件には要注意!(上)

 

 

念願である飲食店を開業する際に、居抜き物件を利用する人が増えている。一昔前は経営が行き詰って閉めたいけど、原状回復費用や廃棄費用がないので、閉められず赤字営業を継続せざるを得ない人もいたものである。

10年前くらいから飲食店専門のM&A市場が発達したお蔭で、居抜き物件の売買は一般的となっている。居抜き物件の存在は、出店希望者にとっては、出店にかかる費用の大幅削減が可能で、いわゆる「イニシャルコストとランニングコストの削減に大きく貢献するものである。

 

一方、退去する人にとっても撤退コストの削減で容易に負担なくできるので嬉しいものだ。あまり容易に出来過ぎるのも安易な出店による過当競争を招くのでいかがなものかなと思うこともあるが。

 

賃借物件は大家さんから見ても次の借主をすぐに決められて賃料収入の空白期間をなくせることでメリットがある。

 

但し、いい話ばかりではないことは当然である。うまく契約を結ばないとトラブルの元である。それは、売手とのトラブル、貸主とのトラブルである。

 

売手と造作物や什器備品・厨房機器の売買で発生するトラブルはややこしい。これらは個々での売買ではなく、一式含めての譲渡が大概である。だから個別に故障したからと言って前の持ち主に個々の請求は困難であり、細かいことを言えないのが通常である。

 

譲渡する側も中古物だからそんなことまで保証できないと言ってくるものだ。売手と買手の交渉力で決まることで、細部に渡ってきちんとした取り決めを行わない事も多い。また中古物件だから買手も品質保証がないことを理解することが、当然という認識の元で契約を締結するのである。買手は後は自己責任でやって下さいと言う、売手のスタンスが普通だったのである。

 

特に厨房機器はけっこう高いもので、買主としてはある程度、使えるものだろうとしてそれら期待も含めて譲渡代金を決めているから、すぐに壊れたら大きな出費が必要となり計算外の出来事となる。

 

また前の持ち主が、お客さんと頻繁にトラブルを起こしていた店ならば、いくら看板を一新しても、お客さんが前の持ち主が看板だけ変えてまた営業をしているのだと勘違いし、来店しない、又は前の流れでまたクレームを付けに来るといった、隠れ債務的な問題も発生することがある。

 

私も居抜きで店を引き継いだが、すぐ冷蔵庫と空調が故障した。すぐにリースで契約したが毎月の費用負担がすごく負担になったという苦い経験がある。私の場合は前の持ち主が病気でリタイアし、タダ当然で譲り受けたので、文句は言えなかった。当時の私は、とにかく店(焼肉店)がタダ当然にやれると、その喜びで何のリスク対策もしていなかったのが事実であるし、またそういう知識もなかった。

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お店の経営は、せっかくやる以上は長く経営して儲けたいと思うのが本音だ。しかし、飲食店の継続経営は意外に難しいものである。日本は特に飽きやすく惚れやすいといった国民性があるので尚更だ。ちょっと人気を博していると注目されたら、すぐ模倣する店も現れ、一人勝ちが続くことはない。

 

そうやって競争状態の中でブームもすぐに去っていくものだ。誠に大変な業種・業態である。だからいろいろな事情で店を撤退しなくてはいけなくなった時に、必ず問題となるのは賃借物件の原状回復や退去時精算である。

 

特に原状回復では、「何を持って原状回復なのか」という事から始まる。前の持ち主から造作物譲渡契約、賃貸借契約では貸主との契約から成るが、どの状態に戻さないといけないかと言うのをきちんと取り決めしていなかったら相当な問題になり、下手をすると訴訟に発展しかねない。一般の契約書では「退去時には借主の負担で原状回復する事が定められているが、現状がと言う言葉だけでは具体的な内容が分からないものである。

 

賃貸借契約を締結する時に、譲渡されたときの現場写真をあらゆる角度から撮影し図面と共に、賃貸借契約に添付しておかないといけない。それを仲介業者と共に認識を共有することが肝要である。

 

私は2店舗ほど居抜き店舗を活用し、2店目の店で飲食店を経営したが、貸主から訴えを提起されそうになったことがある。

 

・・・・・続く