中小企業診断士/行政書士中村事務所

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外食業界で生き残るのは難しい!

飲食業界では経済が成熟化し、人々のニーズが多様化すると市場の細分化がより進展する。外食チェーン大手は、それぞれの市場に豊富な経営資源を投入し、マルチブランド戦略を展開している。しかしこれら各ブランドもコンセプトが不明瞭になり、結局、中途半端でカニバリゼーション状態になっていることは否めないのではなかろうか。

 

 

 

各チェーン企業のホームページを閲覧すると数多くのブランドを有しており、それだけでもすごいなと思うが、ブランドを管理するコストの負担が大変ではと思うものである。中には同じような市場に同じような業態と異なる複数ブランドを投入し、カニバリ状態を放置している現象もある。

 

意味のないブランドは廃棄することが必要だが、社内での抵抗があるのか分からないがそのままにしておくのは、あまりにも無意味でなかろうか。

 

またお客さんもその違いが分からず、ブランド選択を迷うだけではと思う。ブランドの取捨選択をやるのであれば、トップダウンで思い切ってやる事も必要だ。その為に市場調査を徹底し、仮説検証を繰り返しやらねばならず、その上で明確なコンセプトと共にブランディングが必要だろう。

 

 

 

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昔、外食の勝ち組だった「ステーキけん」だが、今や大阪には店がない。今、多くのファミレスが導入しているカレーバーは、この店が先駆者だった。当初は画期的な企画で通常のサラダバーにカレ-バーが併殺されているというお得感が話題となったものだ。

 

またカレーも単品で出せるくらいに美味しく、ステーキやハンバーグを目当てにするのではなく、カレーを目当てに来るお客さんも多かったのを記憶している。

 

しかし店舗展開のスピードに人材がついていかず、店にはお客さんのクレームが増えていった。そのカレーバーも段々と雑になり、ある時はニンジンが丸ごと入っておりお客さんがびっくりしていたのを覚えている。しかしそんな繁盛店舗も戦略を誤って衰退するという「反面教師」になってしまったのである。

 

 

 

外食は新企画で話題になっても模倣されやすく、すぐ他社に追随され、話題も好調な業績も長続きしない。わざわざ知的所有権でその商品や企画を防御する事は、時間とコストの関係からすることはない。

 

だからこそ、追随者を想定した高い参入障壁を構築しないと生き残れないものである。

 

「成功から生まれる傲慢」が追随者を甘く見て何の対策も講じなかったために競争に負けてしまったのであろう。

 

「追われるものより追う方が強い」とはよく言うものである。過去の成功体験が新たな発想での展開を妨げ成長の足枷となる。もちろん、陥落する前に無謀ともいえる拡大戦略が自分の首を絞めたことがある。

 

経営力とは、戦略と管理の一体的推進であるが、性急すぎる多店舗展開に人材投入が追い付かず、管理不足から現場の従業員からの悲鳴やお客さんからの不満が爆発したのであろう。

 

 

 

店の出店スピードに人材の確保と教育訓練を連動させないといけない。

 

教育訓練に関してだが、外食チェーンはマニュアルにより調理作業を単純化・標準化しているので職人無用の運営をしている。

 

コックレスで人件費を抑制し、お客さんにリーズナブル価格で美味しい商品を提供している。だが単価の高いチェーン店では相当程度の料理提供が必要で、熟練技能者も必要な場合がある。

 

しかしこの熟練者の中で、職人気質の社員はよく弊害になる。自らの経験やノウハウに固執し、店の方針に合わせようとしない。いわゆるアッパー価格帯の高級店ならともかく、そこまでのレベルは必要ない中間価格帯の店舗は調理人が必要か否かは難しいところである。

 

 

 

調理人を入れるメリット としては、

付加価値の高い料理が提供できる。調理場を任せられ、自分は他の業務に専念できる。調理の専門家なので、奥深い食材や料理知識を有しており、新たな商品企画や商品開発を任せられる。

 

その反面、デメリット としては、

 

人件費が高い。商品の質が調理人のレベルによって左右され、その結果、調理人が変わるたびに店の味が変わるので、地域のお客さんの不評を買う事が多い。必ずしもレベルの高い調理人を確保できるとは限らず、口ばっかりの調理人の場合もあり、その時は辞めさせるのに一苦労する。

 

「情報の非対称性」が存在するなど経営者の方が飲食店知識が乏しい場合、経営者の指示に従わないことがある。調理人は職人気質の人が多く、自分が今までやってきたやり方に固執する傾向があるが、それに口を出すと逆上し、若い子を連れ一斉に退職することがある。

 

*ちなみに私は焼肉店を経営していたが、調理人を使って様々な問題が発生するのを懸念し、自らが調理師免許を持ち、肉を捌き、色々な料理を自ら作ったり、誰でも作れるようにマニュアル化していたのである。

 

コックレスのメリットは、

 

人件費を抑えられる。パート・アルバイト主体の店舗運営の為、経営者の指示が通りやすい。専門の調理技術を持っていなくても飲食店が開業でき、専門技術が必要ない為、人材の確保が容易である。

 

デメリットは、

 

やはり未熟な従業員達であり、完全に任せられるようになるまでは時間を要する。高級店や熟練した技術が必要な料理を出すような店には向かない、等である。

 

 

しかしこの職人気質の調理人は、自らの経験やノウハウに固執し、店の方針に合わせようとせずに逆機能する時がある。自分の経験上知識やノウハウに基づいた事しか言わず、頭の柔軟性に欠けた人も多い。

 

いわゆるアッパー価格帯の高級店なら存在感を発揮できるだろうし、店も必要とするだろうが、中間価格帯であれば、そこまでのレベルは必要ないので、店の理念と合致しなくなるのだ。

 

飲食店は「変わらぬ味が売り物の老舗」以外は、常に環境変化に適合させた店舗政策が重要である。他店から学ぶ姿勢も必要である。いくら自社の方が企業規模が大きく業歴が長くとも、教わることがあれば謙虚な姿勢で、学ぶことが大切である。

 

 

 

繁盛している飲食店は、「顧客満足主義」は当然の事、その前提条件として従業員満足度の向上に努めている店が多い。従業員が店を愛し、店長を尊敬し、仕事に誇りを持っているから、店とお客さんが一体化し、快適な雰囲気になる。そして離職率も低くモチベーションの高い従業員が多いといった好循環が生まれる。こういう店にしたいものである。