中小企業診断士/行政書士中村事務所

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環境変化に適合させた飲食店づくりを!

外食業界を取り巻く環境は大きく変化している。少子高齢化・人口減少、デフレから緩やかなインフレへの経済・金融政策、需要の伸び悩みから競争の激化、市場の縮小、消費者ニーズの多様化・個性化・高度化、外食のレジャー化、と枚挙に暇がない。

 

 

 

その激変する環境に適合できずにいる店は淘汰される。そういった中でも飲食店を経営してみたいという人気は高く、また資金面からも容易なので参入者も多い。その結果、飲食店の開廃業率は著しく高い。開業しやすい反面、継続しにくいのである。1年で50%、10年で10%の生存率、と数字がその厳しい実態を如実に物語っている。飲食店の開業率は11.2%で廃業率が24.4%であることから、1年で開業する店舗の2倍以上が廃業している計算だ。

 

参入者の中には少しでもリスクを減らしたいと居抜きを使って開業する人も多い。低コストで参入したいという気持ちはよくわかるが、そんな都合よく自分のコンセプトに合致した店は見つからない。その為に、コンセプトに店を合わせるのではなく、店にコンセプトを合わせるように段々と妥協するようになり、気づけば自分がやりたい店とは大きく乖離した店になってしまうものだ。そういう本末転倒的な話は、居抜きで参入した人にはよくあることである。「居抜きでリスク低減を」と、そればかりに固執していると、店を繁盛させるという目的など、大きなものを失うことになるので要注意だ。

 

 

 

環境変化の中で、未婚率の増加や核家族化の影響を受けて単身者世帯の増加が顕著であり、2040年には約4割が単身世帯になることが予測される。そうなると食生活に於いても、更なる個食化時代に突入することになる。高齢者の単身世帯も2000年の13%が2020年には倍以上の32%と上昇する推計だ。

 

 

 

個食化ニーズに対応する為に店側も商品の少量多品種は当然の事、客席レイアウトもそれらに合わせていかねばならない。今までは標準世帯の4人掛けを中心とした客席配置が多かったが、一人席をうまく組み合わせ店舗全体の効率が下がることがないような設計にしなければならない。

 

作業がしやすく、生産性の最大化を追求した厨房スペースなど、ホールとキッチンのスペース配分も再検討が必要である。既に「一人焼き肉」を展開している店もあるが、単身者が増えるからと店の効率を無視したレイアウトやオペレーションの設計は長続きしないのでやめたほうがいいと思う。お客さんと店とが利益を享受しあえるような設計にしなければいけない。

 

 

都心に住む高齢者単身世帯が2040年には40%を超えるとの推計だ。単身高齢者が増えると、メニューもヘルシー・シニアメニューのニーズが高まるだろう。接客も元気よりも優しい温かみのある接客が必要になる。また高齢者の増加に伴い、ドリンクバーしかないファミレスも再考の余地があるだろう。町の喫茶店が消滅する中、ちょっとコーヒーを一杯と言う高齢者ニーズにファミレスの快適性ある雰囲気はいいが、ドリンクバーは高齢者には好まれないだろう。

 

ドトールやスタバも外観・雰囲気的には高齢者向けではない。コメダ珈琲などの業態が成長著しいのはそれらも要因だろう。ファミレスも今後の環境変化に適した対応を徹底しなければ、それらの店に今後増えていく高齢者世帯を取り込むことはできないだろう。

 

人口減少の中、競争優位性を確保できるか否かは店の財産でもある顧客基盤が決め手となる。一度来店されたお客さんを常連客化・固定客化していかなければならない。

 

今までのセオリーが通じない今後の外食業界。お客様が飲食店に求める価値観は大きく変化していく。店側もそれらに効率よく適合させながら、この人手不足の中で増員せずに円滑に運営できる体制の構築も必要だ。知恵を使って生き残りを図らねばならない。

 

 

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