中小企業診断士/行政書士中村事務所

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企業が抱えるしがらみが成長投資を阻む(下)

・・・・・続く

 

既存技術の向上によるシェアの拡大と維持は、経済合理性に見合った経営判断だが、その合理的な判断そのものがイノベーションの障害となっていると指摘される。これらは、業界のトップシェアを誇る大企業や大看板に胡坐をかいた優良企業に多い現象としても知られている。

 

イノベーションには、「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」の2つがある。

 

持続的イノベーションとは、顧客のニーズや既存市場で求められている価値を改善・改良を目的とした持続的技術(持続技術)によって、実現するイノベーションを指す。持続的イノベーションで生み出された製品(商品)やサービスは、高機能・高価格という特徴があり、シェアの拡大と維持に役立つ。

 

 

 

一方、破壊的イノベーションとは、破壊的技術(市場を一変する破壊技術)によって、実現された今までにない発想から生まれた付加価値の高い更なる利便性が期待できるという特徴を持つ。投入されたばかりの時期こそ売上・利益には不確実性があるが、技術革新により、一気にシェアを拡大できる可能性がある。

 

 

イノベーションのジレンマは、経済合理性に合った持続的イノベーションに集中しているが故に陥りやすく、破壊的イノベーションが起きてしまうと既存企業に莫大な損失や代償が発生すると考えられている。

 

市場が成長し会社自体も好業績で資金繰りが潤沢であれば、将来への先行投資として不確実性の高い分野へでも参入できるだろう。しかし、そうでなければ既存の延長線で改良を進めながらの既定路線で収益プレッシャーに耐えながら推進することになる。

 

そうして確実性の高い事業の改善が優先され、不確実性の高い分野への参入はますます後回しになってしまう。それらが企業の成長の妨げになるのである。今後の会社の安定成長に向け、どう打開するかだ。

 

 

 

これらの事はみんな実感していることである。創業し成長発展すると少し一服することは当然ある。その踊り場段階にいる時に将来の戦略をどうするのかを考えるだろう。この機会を逃すまいと、「イケイケどんどん」で更なる成長加速を志向する人もいれば、足元をすくわれる前に経営基盤を盤石にすることを最優先しようと成長より基盤確立を優先するという守りの姿勢の人もいる。

 

後者を選択すれば、いったん立ち止まって人・モノ・金などの経営資源の整理と拡充に努めていくものだ。そうなるとリスクがある新規事業にはより慎重になる。成功の確度の高い新規事業を開発しても、保守的な上層陣であれば、やたら慎重となり、社内稟議が通らないケースも多いだろう。どんな大会社だって経営資源には限度があり、できる限り収益が確実に上げられる事業に配分したくなるだろう。

 

どこかの会社のように、「やってみなはれ」という会社であれば、自由闊達の社風が生まれ社員達が創意工夫するだろうが、なかなかそんな会社ばかりではないのが実情である。

 

 

 

そういう社風の会社であれば、「金は使っただけ返ってくる」という考えがうまく機能することもある。例えば、新規事業を担当したが失敗して会社に損失を被らせた社員は、申し訳ないとの強い気持ちから会社に利益還元する為に、また新たな知恵を提供するなど、何らかの形で頑張ってくれるものである。

 

上層陣が短期政権の会社は、「今を生きる」で今の業績が良ければ、自分の報酬も多いからそれで満足だろう。だから将来の事よりも、目先の利益に固執する場合が多く、そういう短期志向の施策を策定するであろう。しかし永続企業を目指すなら、短期・中期・長期のバランスの取れた戦略が必要になることを自覚せねばならない。

 

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