中小企業診断士/行政書士中村事務所

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「親族を後継者へ」にこだわり過ぎて失敗した事業承継(中)

・・・・・続く

 

 

 

そして息子は周囲の過剰なプレッシャーに耐えきれず、とうとうリタイアすることとなる。そしてリタイアだけで終わらず、精神的な病に陥り入院することにもなった。

 

元々気の弱い息子である。その気の弱さは父である社長も知ってはいたが、何とかこの会社は自分の息子に継がせたいといった気持ちが後継者として指名させたのである。

 

 
事業承継の経営学: 企業はいかに後継者を育成するか

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社長に事業承継の話を切り出すための本

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そんな息子に巨大化した従業員2.000人の会社の頭に立つことは酷な話だったかもしれない。しかも専務の急死で承継準備期間があまりなかったのも大きな原因だ。通常でも5年~10年の準備期間が必要と言われる事業承継。

 

 

 

これだけ大きな会社を承継させるには、社内外の教育や段階的に重要な役割を任せていくなど、用意周到な承継計画が必須であり、後継者の負担を軽減させながら意欲・覚悟を持たせていかねばならない。

 

それもせず、未熟な息子に重責ある社長の座につかせようとしたのが根本的な間違いである。

 

 

 

 

そもそもこの会社は自らが一から業態開発をしたことがない外食チェーン企業である。目的の為なら手段を選ばないイケイケどんどんの社風に、気の弱いおとなしい息子が合う訳がない。

 

この会社のビジネスモデルは、まず大手外食チェーンにフランチャイズとして加盟し、ノウハウを吸収してから豊富な資金力で今度は自らがフランチャイズ本部として展開する手法を採用していた。あらゆるジャンルのフランチャイズに加盟しノウハウの吸収と、それらを融合させた新業態を開発していったのである。

 

最初の受け入れ時は、みんなも社長の息子だと一目置いて接していたが、すぐに気が弱く能力不足だとを見抜いた彼らは、容赦なく足を引っ張りに走ったのである。

 

 

 

 

 

またこの会社は、競合他社の中枢にいる優秀な人材をヘッドハンティングして、組織づくりをしてきたのである。人のふんどしで相撲を取る会社と揶揄されてもお構いなしの会社だ。

 

 

息子は退院しても自力での生活が困難な状態になってしまった。

そして精神的障害から日々、幻覚症状と戦うなど,、苦しく過酷な生活を強いられている。男性の社長秘書が担当として、毎日介護に近いお世話をしている状態で、先が見えなくなっている。

 

息子だから安易に事業承継をと、考え行動した結果が、こういう取り返しのつかないことになってしまったのだ。

 

 

息子を心配しながらも、会社の将来のこともあるので、やむを得ず社長は、次に娘婿を後継者に指名して再度、後継者計画を策定することにした。

 

・・・・・続く