中小企業診断士/行政書士中村事務所

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「親族を後継者へ」にこだわり過ぎて失敗した事業承継(下)

・・・・・前回から続く

 

 

 

しかし娘婿は元々が公務員。こういう外食企業の社風に合わず、何とか我慢して頑張るもストレスが溜まりギブアップ状態だった。社長の娘である奥さんに愚痴をこぼすが奥さんは、「認識が甘い」と叱咤するばかりで相談相手になろうとしなかった。このマスオさん状態に安らぐ場所を失った婿さんは外部に助けを求めるようになったのである。

 

 

そして、親身に相談に乗ってくれる社内の女性と仲良くなり不倫状態に陥る事になり、結局はその不倫が発覚して離婚することとなった。同じ過ちを繰り返した社長はどうすべきか迷ったが、どうしても身内に継がせたいとの強い気持ちから、娘を説得して継がせることとした。離婚で傷ついた娘。いつまでも落ち込んでいてはしょうがないと開き直り、後継者になる覚悟を決め、意欲を持って社長業を勉強することにした。

 

 

 

だが、必死に娘に承継準備をさせるが、意欲はあっても資質的・能力的に問題が多いようで、周りからも無理ではないかと囁かれている。

 

 

その声を聞き、今は会社の譲渡も検討中だ。巨大グループ企業が後継ぎへの事業承継で混乱している。社内はこのバタバタ劇に面白がる社員もいれば、将来を不安視する社員もおり落ち着かない。子供がいるのに承継できない悲しさだ。

 

 

 

こういった例は多い。先代が急速に事業拡大を図り、規模が急拡大した会社の後継者に指名された息子。周りから背中を押され、ムリヤリ後継者にさせられたが、大きな会社の社長の器ではない自分に心が揺れ動きストレスが溜まる。

 

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元気のいい社風に1人浮いた状態の息子に叱咤激励する社長。「百獣の王」であるライオンのように、息子を崖から突き落とし、這い上がらそうとする社長だが、結局、這い上がれず会社を出ていく羽目に。情けないと嘆く社長を横目に親子関係まで疎遠になってしまう。公私に渡る親子関係は難しいもの。

 

 

息子とはいえ、社長になる以上、資質・実務能力・専門知識・財務的判断性・コミュニケーション能力・リーダーシップと備えなければいけない能力は多岐に渡る。親子だからの押し付けは、かえって逆効果である。

 

甘く育てた我が子を他社に負けない次期社長として厳しく育てようと自分の体験に基づき厳しくするものだが、今の時代に合わないやり方は改めなければいけない。

 

 

 

本気で息子に継がせるなら後継者に覚悟と意欲を持たせて、承継準備期間をきちんと設け、効果的な後継者教育を実行しなければならない。特に「経営理念」や「経営に対する想い」の承継は重要だ。そうしないとみんなが不幸になる。

 

 

会社には従業員とその家族がいることを忘れてはいけない。みんなの支えがあったからここまでやってこれたのである。このことを再認識して、「社会の公器」として存在する会社の円滑な承継を実現せねばならない。