中小企業診断士/行政書士中村事務所

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「いきなりステーキ」の凋落!

飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長した「いきなりステーキ」の業績が厳しいようだ。既存店売上は昨年から前年割れで、新規出店で何とか体裁を保っているようだ。自己資本比率も5%程度で財務の脆弱性も目立つ。

 

 

 

外食は飽きやすく惚れやすい消費者への対応と模倣されやすい点から持続的な成長は難しい。新商品や新企画で爆発的にヒットしても、いちいち知的財産権で保護することは常識的に考えてないであろう。

 

「勝てば官軍負ければ賊軍」と、つい先日までチヤホヤされ、社長までTVCMに出演して注目されていた「いきなりステーキ」だが、見放されるのもあっけない。もちろん利益を計上できない店は市場に必要ないということであり、いずれ淘汰されていくものだ。

 

昔、「ペッパーランチ」が勢いがあった頃、出店速度に管理システムが追い付かず、店舗での不祥事で、この会社はこれで終わったと世間は思っていたもの。だが、見事に復活したので驚きである。

 

 

 

出店過多による希少価値の低減とパクられやすい店名で類似屋号の店舗が増えてきて、お客さんも混乱している。そして市場を食われているのが業績低迷の主要因だろう。また同じステーキ市場で「ペッパーランチ」もあり、この自社内に差別化されていない業態とのカニバリゼーション状態にもなっているのも大きい。

 

厳しい状況に追い込まれているが、「ステーキ店」という高級イメージがある店を身近な存在にした「いきなりステーキ」の功績は大きい。昔、一般庶民には手が届かない存在だった「しゃぶしゃぶ」を手軽に食べれるように店がある。「しゃぶしゃぶ食べ放題」の先駆者だったが今は影を潜めている。同じ事の繰り返しだ。きっかけは模倣でもよりうまく提供する仕組みを確立した店が生き残る外食業界だ。

 

 

 

飲食店は開業率も高いが廃業率も高いので有名だ。開業3年で約7割が廃業し、10年後も営業している店は1割程度らしい。

 

飲食事業は参入障壁の低いビジネスであり、誰でも比較的簡単に開業することができる。定年退職された人が退職金を元手に飲食店を開業するケースも多い。周りを見渡しても、個人店・チェーン店に関わらず、新しい飲食店が次々とオープンしている。

 

しかし、その廃業率は非常に高く、1年未満で閉店した割合は34.5%、2年以内で閉店した割合は15.2%。合計すると49.7%となり、約半数の飲食店が2年以内に閉店しているということである。

 

さらに、開業3年では約7割が廃業し、10年後も営業している飲食店はわずか1割程度と言われている。こうやって、次々と新店舗がオープンする一方、どんどん潰れているのが、飲食業界の実態で新陳代謝が激しいものである。

 

 

 

この需要よりも供給が大幅に上回るオーバーストア状態が廃業が増える要因である。

飲食店の市場規模は、約20年前(1997年)に29兆円だったが、今は25兆円である。

 

この市場規模の縮小はデフレの影響も大きいが、消費者が外食に使うお金が少なくなっていることが大きいようだ。ちなみに惣菜などの中食は同時期に6兆円から10兆円に増えている。(中小企業白書、統計資料より)

 

また過剰な「競合店の存在」もある。高度経済成長期に人々のライフスタイルに定着した外食だが、その頃は経済が成長するのに連動し、外食店の売上も著しい伸長度を見せていた。

 

正直、さほど努力をしなくて他店と同様の商売をしていれば、自店にも当然のように売上が入ってきた。数十年前は、顧客の外食ニーズに店舗数が追いついていなかった為、よほど問題のある店でなければ、それなりに繁盛していたものである。

 

 

 

しかし、今は店舗数が過剰に増え、需要よりも供給が大幅に上回っている。また、惣菜専門店、コンビニやスーパーの弁当や総菜、などの中食や、宅配サービスの充実、通販なども飲食店の競合として存在感を増している。

 

つまり、人口減少で「食の市場」は縮小しているのに、それらを内食・中食・外食が壮絶な奪い合いをしているのだ。食がなければ人々は生きられないから消滅することはないが、先行きが厳しいことには間違いない。海外からの旅行客や日本への永住者を増やさないと、このままでは指をくわえながら縮小する食の市場を傍観するだけになってしまう。

 

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そういった参入は容易だが撤退も早いといった特性のある外食でも、永続的に頑張っている老舗飲食店も存在する。歴史が物語る魅力ある店は、店舗運営に於いても魂の入れ方が違う。これも飲食店の特徴である。誰でも容易に出店できる反面、継続は困難なのだ。

開業するなら、それらを認識した上で覚悟と意欲を持って頑張ってほしい。