中小企業診断士/行政書士中村事務所

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いつまでも元気と思うな!中小企業の社長さん!

大阪市内に先祖代々続いた鍍金(メッキ)会社がある。今、事業承継の真っ只中だが、なかなかうまく承継できず苦労している。

 

 

その会社の業務内容は、週初めの月曜日に親事業者からメッキする部資材が納品され、週内(土日が定休なので金曜日まで)にすべてを加工し、翌週の月曜日に納品する。その際にまた今週加工する分が納入されるといったパターン化された取引で100%親事業者依存の鍍金工場である。

 

 

 

従って今週の納品された部資材を見て親事業者の景況感が分かる。少ない納品が続くと危機感を持ち、新たな販路を探さねばと浮足立つが、その親事業者からの納品量がすぐに安定するとその心配したことが嘘のように親事業者依存の経営で満足している。

 

 

作業工程は、部資材洗浄⇒メッキ⇒検品⇒梱包であり、洗浄以外は総て人手を介している。息子を5年前から入社させ、メイン工程であるメッキを教えながら担当させているが、どうも自分の子が頼りなく見えるのか、それとも求める技術水準が高度過ぎるのかいつもダメ出しをして息子をいつまでも一人前として認めようとしない。

 

 

 

息子も段々とやる気をなくして大きな壁に当たっているようだ。工場の上が家族の住まいになっており独身の息子も家族と一緒に住んでいるが、最近では家族の会話もなくなってきている。

 

 

息子も日に日にふてくされた態度を見せるようになり、そんな息子の態度がまた気に入らない父親。その感情的なもつれもあり、いつまで経っても承継がうまくいかない。

 

 

 

メッキ技術は何とか一通り教えたが、経営全般を教えるところまで行っていないのが実情だ。従業員は社員2人・派遣1人・社長親子2人の計5人で運営している。社長である父もいつまでも戦力として頑張っており、75歳になった今でも一向に引退しようとしない。自分の存在意義をみんなに誇示しようと、いつまでも後継者に道を譲らない社長である。

 

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奥さんや後継者である息子などはこれから先のことをじっくり話し合いをしたいと思っているが、遺言書も書かない、承継計画も必要性は理解していても場当たり的である。皆は言い出しにくく悩んでる。先日もその話を切り出そうとしたら血相を変えて怒る社長であった。

 

私に依頼が来たので間に入り、遺言書を書かず事業承継も中途半端にしていては会社が危機的状況に陥いりますよと事例を交えて説明した。でもそれでも他人事の社長。家族からは縁起が悪く気を悪くするから言いにくい、第三者でも私などそれを専門職とする人間は仕事で金が発生するから進めるのだとの警戒心も拭い去れないようだ。

 

説明する事例などは実際にあった話を分かりやすく丁寧にお話ししている。

 

普段から無口が頑固おやじが、ある日突然急死したり認知症になったりした為に会社が全く機能しなくなり廃業せざるを得なかった話などをした。

 

家族に自分の事をあまり語らなかった父が、実際にどの銀行にいくら預金があり、どれだけの金融資産や不動産を所有しているか家族の誰も知らない状態の家はけっこう多い。そういう人がある日突然亡くなったら残された者は右往左往するだけである。

 

 

 

また認知症になったら法律行為ができない現実も理解しなければならない。

今は元気だと豪語するが、明日いきなり認知症になってもおかしくない年齢。そうなると会社は機能しなくなる。自分不在でも円滑に運営できる体制の構築が社長の仕事だ。皆の為に万全な承継をしなければならない。それが当然の社長の仕事である。いつまでも出しゃばって自分の存在価値をアピールしても意味がない。

 

 

「備えあれば患いなし。」することをして後はゆっくり余生を楽しんでもらいたいものである。