中小企業診断士/行政書士中村事務所

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後継者不在でもM&Aで事業承継の道を!(中)

・・・・・続く

 

事業承継は、親族内の問題であるという意識や、外部に相談しにくい等の内面的な理由もあり、なかなかそういう話を自ら切り出しにくいものである。また周りの人間も縁起の悪い相続話や社長の座の交代を社長に進言しにくいようだ。

 

会社を共に支えてくれた役員や従業員などへ承継する親族外承継も選択の一つ。会社の成長に寄与してきた番頭や優秀で信頼できる従業員に事業を承継させることは、会社内部の事にも精通しており、従業員や取引先の理解と協力を得やすい。

 

しかし、金融機関が承認しない、株式の買い取り資金を準備できない、借入金の個人保証を本人が拒む、などハードルが高い。国の施策(経営者保証に関するガイドライン)で借入金の個人保証が不要となる支援策もあるが、なかなか難しいようだ。

 

変わる事業承継

変わる事業承継

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2019/10/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

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株式を保有せず、雇われ社長として経営をさせることは可能だが、先代社長が生存の内はいいとして、亡くなった後、あまり交流のない相続人との間に争いが生じたら経営がうまくいかなくなり、下手すると追放される恐れがある。

 

 

また事あるごとに、いちいち相続人など株主の意向を重視せざるを得ないので、経営の舵取りが難しい。裁量権がなく経営の自由度が低く、自分が思うような経営ができないという難点がある。その点から考えると、外部から社長を招聘するのはもっと難しく現実的には厳しいのが実情だ。

 

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今までは後継者不足により事業承継が困難になると会社を廃業する選択肢しかなかった。しかし、雇用の喪失やこれまで培ってきたノウハウ・技術を失う事は日本経済の大きな損失である。この損失を回避する為、これら有形・無形の経営資源を活用する為の円滑な事業承継策が色々と模索されている。

 

 

昔、500万社もあった中小企業も、今や358万社(2016年)と激減している。黒字経営なのに後継者不在の為に廃業せざるを得ないのはあまりにも勿体ない。また、従業員や取引先にも大きな迷惑がかかる。加えて、日本の経済を支える中小企業が減っていくことは、国としても大きな損失だ。

 

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中小企業では、①親族内に後継者が不在、後を継いでくれる役員や従業員がいないから事業承継の為に会社を売却したい②長年がむしゃらに頑張ってきたが、高齢になり体力と気力の限界を感じ、会社を売却してハッピーリタイアメントしたい。③会社を売却してその売却資金で新たな事業を展開したい。④資金力も含めた経営資源の豊富な大企業の傘下に入り、乏しい経営資源では実現できなかった事がやりたい。⑤コア事業に経営資源を集中する為、非コア事業を売却したい、など様々なM&Aへの動機がある。

 

事業承継の為のM&Aでの譲渡手法としては株式譲渡が殆どである。

 

 

株式譲渡では、贈与・相続・売却によるものと3つの手法があり、株式は会社の経営権・支配権を有するものである。自分の裁量で経営をしたければ、せめて特別決議が可能な67%は保有するべきである。もちろん相続税や遺留分などの問題もあるから、自分だけでが難しいなら自己グループで67%を保有できるようにした方がいい。

67%持てば大概のことは自分が判断し決断できる特別決議が可能である。

 

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特別決議では、定款の変更、合併や会社分割などを決定できる。その為、他の相続人には事業用以外の資産や保険金をうまく活用して不満の出ない相続財産の分割方法をしたりしなければならない。

 

 

もし事業用資産以外めぼしい財産がなければ、配当優先無議決権株式など活用するなど、工夫しなければいけない。新事業承継税制も活用し相続税や贈与税の猶予と免除も検討すべきである。

 

社長の地位を承継しても、自社株の67%を保有しないと、経営権全てを掌握できない。したがって円滑な事業承継とは後継者に3分の2の株式譲渡が必須である。

 

本当は、経営者が100%保有している状態が望ましいものである。その理由は、少数株主権をフル活用して経営の邪魔をしてくる者がいるかもしれないからだ。


・・・・・続く

 

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