中小企業診断士/行政書士中村事務所

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結局はヤマダ電機の傘下に入った大塚家具!

来年春に創業50周年を迎える大塚家具が心配だ。

 

 

親の会社を継ぐ技術~後継者のゆく手をはばむ5つの顔を持つ龍とのつきあい方~

親の会社を継ぐ技術~後継者のゆく手をはばむ5つの顔を持つ龍とのつきあい方~

  • 作者:田村 薫
  • 出版社/メーカー: みらいパブリッシング
  • 発売日: 2019/07/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

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経営状態が悪化し、他社の支援による再建を模索しているという噂がついて回っていたが、今回、あの安売りのイメージが強い大手家電量販店のヤマダ電機の子会社になるという決断をしたそうである。

 

創業者とその娘が経営方針をめぐって対立した「お家騒動」の後、娘の大塚久美子社長が実権を握り、販売戦略を大きく変えた。だが、企業イメージの悪化もあって顧客離反が相次ぎ、低価格化による新規顧客開拓策も失敗し、近年は大幅赤字が続いている。「大型の高級家具を買う人が減る中、事業そのものが時代遅れ」との厳しい指摘もあり、再建の舵取りは難しい。

 

 

 

 

消費者相手の商売で消費者を無視した「お家騒動」にブランドロイヤリティは低下したままだ。現状のブランド力ではどこと組んでもうまくいかず、ましてや安売りの代名詞である「ヤマダ電機」と一緒にやるのは逆効果ではと思う。

 

父である創業者の大塚勝久前会長は、会員登録した来店客らに店員が付きっきりで高級家具を薦める販売方法で業績を拡大してきた。しかし「ニトリ」など低価格路線の競合他社に家具市場を侵食される中、娘の久美子社長がこうした接客方法に異論を唱えて、勝久氏と対立したのは記憶に新しい。

 

 

 

2015年3月の株主総会で激しい委任状争奪戦を制した久美子社長は、会員制を廃止し、大衆化路線に舵を切ったが、5年経っても結果が出ず、業績低迷に歯止めがかからない。久美子社長が実権を握った直後の15年度(15年12月期)こそ純損益は黒字だが、16年度は45億円の赤字、17年度は過去最大の72億円の赤字と純損失が拡大した。

 

18年度も純損失34億円余りと3期連続の赤字見通しは経営者としての責任を問われるところまで追い込まれている。ニトリホールディングスなど低価格を売りにするライバルの攻勢が続き、品質重視ながら割高感の残る大塚家具は販売低迷が続いているんど、完全に負け組となっている。

 

 

 

新築の戸建て住宅などが減少し家具のまとめ買いをする人が減っているなど、家具市場を取り巻く環境が厳しいのも事実だが、その中でも「ニトリホールディングス」の業績は好調だ。業績低迷の原因を市場環境にしてはいけない。競合他社も同じ条件である。業績悪化の原因の8割は内部要因であると言われるのが経営の真実。業績悪化を市場のせいにする前に己を責めないといけない。この謙虚さが全く見えないから、一向に業績が改善されないのだ。

 

 

 

子供を後継者にするが失敗する事業承継が多い。その主要因はそもそも子供に経営者となる資質や能力がない事が大きい。覚悟と意欲を持って引き継ぐが、業績が芳しくないと先代と比較され必死に努力するがそれらが空回りする。元々、先見性がないから最適な経営戦略を策定できない。その結果、チグハグな小手先の経営になり、やる気と能力のある人材が離反。資本力のある熟練社長に手玉に取られ吸収される。

 

 

 

大塚家具はかつての高級ブランドのイメージが消えつつある。高級路線から一線を画し、大衆路線に踏み出したが店舗政策が中途半端にもなっている。

 

かじ取りに逡巡している内に業績低迷に歯止めがかからず、ついには資金繰りが苦しくなった事で、プライドを投げ捨て、ヤマダ電機に助けてもらうような形になってしまったようだ。

 

久美子社長も相当焦っているようで、幹部社員にも八つ当たりをしていると聞く。不穏な空気が漂う会社で再建に向けた、いいアイデアが出ることはない。

 

 

 

父親・勝久氏の高級路線から、低価格にシフトしたが大失敗という経営不振で窮地に追い込まれた久美子社長。最適な戦略として打ち出した自分を市場が否定したような結果になっている。それらで、自分のメンツやプライドが踏みにじられたような状態だ。’19年1月~9月期の売上高は、約210億円で前年同期比23%減。営業損益の赤字は30億円近くにのぼる。

 

これで5年連続の減収、6年連続の営業赤字という最悪な結果となった。 メインバンクの三井住友銀行も見放し始めており、返済のメドが立たないと判断したのか、担保となっていた大塚家具の86万株をすべて市場に売却したようだ。

 

メインバンクに見放された会社は資金繰りに苦しくなる。9月末時点で、大塚家具の預金残高は22億円にまで減少。

 

毎月5億円もの現金が失われているので、このままでは来年3月に資金が枯渇する。だからヤマダ電機の子会社化案の誘いに乗ったという話だ。

 

 

 

5年前、親子対決で勝ち取った社長の座。創業者である父を追い出し、あれだけマスコミに注目されながらの船出で、自分が採用した戦略がことごとく失敗する事に苛立つ久美子社長。

 

 

目の前に迫った資金枯渇の状態に焦り、周辺に当たり散らしていたそうだ。今回のヤマダ電機による子会社化で一番ホッとしているのは久美子社長を取り巻く幹部をはじめとした周辺の連中だと思う。

 

取りあえず、娘社長が続行するとはいえ、親会社であるヤマダ電機の意向が相当入り、今までのような理不尽な扱いは多少は解消されるだろう。

 

 

 

これを機会に新たな企業文化と風土も醸成されていくだろうし、社員一同、それに期待しているはず。久美子社長自体は単に経営危機の回避と体裁を繕ったに過ぎないから、それほど喜びもないのではと思う。

 

 

経営が順調な時は見えない恥部が業績が下降気味になると目立って見えてくるもの。そうなると幹部社員の能力を疑い出し、社内外から優秀な人材を新たに探し幹部を入れ替えようとする。

 

原因の殆どは自分にあるのにそれを認めない器の小さい社長。人を責める前に己を責めよ。先ずは自分が社長でいいのか考えねばならない。

 

 

自分のメンツや意地で会社を間違った方向に進めながら、自ら責任を取らず退陣もしないその姿勢には批判も大きい。

 

素直になって父に謝罪しもう一度、創業家一族が一体となってやり直した方が得策だと思う。これから、ヤマダ電機の子会社となって、どう展開していくのか心配である。