中小企業診断士/行政書士中村事務所

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売れる会社と売れない会社

 

 

 

景気が良くなれば強気になり、より一層の成 長を志向して会社を買いたいとのニーズが増える。一方で、景気が悪くなれば売りたい会社が増えるのは普通だろう。

 

特に創業社長が率いる高成長志向の会社は、時間を買うを重視し、積極的に買収を繰り返し規模拡大に余念がないようだ。それら会社の特徴を観察すると、なかなか面白いものである。

 

 

スモールM&Aの教科書

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  • 作者:久禮 義継
  • 出版社/メーカー: 中央経済社
  • 発売日: 2019/09/04
  • メディア: 単行本
 
M&Aがわかる

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  • 作者:知野雅彦,岡田光
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  • 発売日: 2018/06/26
  • メディア: Kindle版
 

 

1)成長企業が買収に積極的な理由

 

  1. 業界シェア拡大の為に同業者を買収。
  2. エリア拡大の為に他エリアの同業者を買収し地域補完を実現。
  3. 属する業界が成熟、若しくは衰退市場の場合、新たな収益源確保の為に異業種企業を買収。
  4. 販売力向上の為に川下企業を買収。(一般的に景気が良ければ収益機会拡大に向けて川上へ、景気が悪ければ支配力強化に向けて、川下へ垂直統合する傾向がある。)

 

 

 

一方、不振企業は資金力に余裕があれば、会社存続の為に不振事業の補完として新規事業を買収し、今後の新たな中核事業として展開する。

 

 

自分の会社が、「売れる会社」なのか「売れない会社」なのかを把握する為には、財務状態と事業価値をDD(デューデリジェンス、精査)して企業価値があるか否か、あればいくらの市場価値があるかを認識する必要がある。もちろん法務のDDも必要。

 

 

 

 

 

 

 

2)会社を売りたいと考える理由

 

  1. 後継者がいない
  2. 業界の先行きに不安がある。
  3. 新たな事業をしたいから既存事業を売却したい。
  4. 身の丈以上に会社の規模が大きくなったので非中核事業を売却したい。
  5. 業績不振だから。*もちろん、一番多い理由は後継者不在である。

 

 

 

 

3)売れる会社と売れない会社の違い

 

(売れる会社)

  1. 卓越した技術力やノウハウがある。
  2. 優秀な人材が豊富
  3. 顧客基盤が盤石。
  4. ブランド力がある。
  5. 大手企業との取引口座がある。
  6. 承継可能な特殊許認可を保有。
  7. 財務の信頼性がある。

 

 

 

 

 

(売れない会社)

  1. 下請け依存で顧客基盤が脆弱
  2. 技術なノウハウに特徴がなく強みがない。
  3. 決算書が信用できない。
  4. 社長がいないと何もできない社長依存の会社。
  5. 人材の量的・質的不足の状態。

 

 

 

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4)事業を譲渡・売却・統合(M & A)する場合に重視すること

 

中小企業の中でも規模の大小で異なるが、事業を譲渡・売却・統合(M & A)する場合に重視することは、下記のようになっている。(中小企業白書より)

 

  1. 従業員の雇用 の維持・確保
  2. 売却による 金銭的収入
  3. 会社や事業の 更なる発展
  4. 会社の債務 の整理
  5. 自社技術や ノウハウの 活用・発展
  6. 自社名や 自社ブランド の存続
  7. 経営者の会社 に対する貸付け 等の整理

 

*②は売り手と買い手の交渉力によるものだが、M&Aの知識がない中小企業経営者には負担が重いようだ。特に営業権の評価は交渉次第で大きく変わるものである。

 

 

 

5)事業の譲渡・売却・統合(M & A)に関する課題と対策・準備状況

 

  1. 従業員の雇用維持 ・処遇問題
  2. 事業の譲渡・売却 ・統合(M&A)に 関する情報や 知識の不足
  3. 諸手続に関わる 法務、税務、財務 等の専門知識 の不足
  4. 事業の譲渡・売却 ・統合(M&A)を 検討する上での 情報漏洩のリスク
  5. 企業風土の違い
  6. 取引先や取引 金融機関の 理解
  7. 親族や役員・ 従業員、株主 の了解
  8.  

 

 

  

6)売却を諦めている中小企業社長のよくありがちな自社評価

 

  1. 売上が減少傾向にあり歯止めがかからない。
  2. 市場が成熟し、その内、衰退市場になりそうで商売に明るい兆しがない。
  3. 技術や製品に独自性など特長がなく代替可能な会社が多い。
  4. 事業がニッチ過ぎて市場そのものがなくなる危険性が高い。
  5. 親会社依存だったので新規顧客開拓する営業力がない。
  6. 従業員も高齢化が進展するなど人的資源が乏しい。
  7. 繁閑期の差が激しく、慢性的な赤字体質から脱却できない。
  8. 赤字と債務超過で銀行からの追加借入ができない。
  9. 長期有利子負債が標準償還可能年数を上回り、いつ破産状態に陥っても不思議でない。

 

 

7)総括

 

我が子のように大切な会社だが、その将来を考えた時、どうすればいいか判断に迷うものだろう。自分ももう高齢になり体力・気力的に限界を迎えており、できれば事業継続をさせたいが後継者がいない為、実現不可能な状態だ。

 

自宅を担保に入れ、しかも言われるまま、当然のように個人保証をしてまで、会社存続の為に借入して頑張ってきた中小企業の社長さん。このまま廃業するのではなく、強みを更に強化するなど、会社の磨き上げをきっちりして、会社の売却も出口戦略の選択肢の一つにするのもいいのではないだろうか。

 

特に同業者への譲渡は買収先もシナジー効果を発揮できるケースが多いので、話を持ち掛けやすいはずだ。その際の買収条件を決める際に優位に交渉できるよう、自分なりに相互の経営資源の融合による買収効果などの価値算定をして提示すればいいだろう。

 

自社は売れるような会社ではないから廃業するしかないと諦めているネガティブ社長は多い。

でも意外に買い手が現れる場合もある。私の経験上、赤字でも売れる場合がある。弱点を上回る他社にはない明確な「強み」があれば、必ず買い手が現れるもの。

 

その強みや価値が高く評価されれば、思っている以上に高く売れることもあるので、諦めることなく、会社磨きに傾注しよう。