中小企業診断士/行政書士中村事務所

頑張る中小企業と中小企業診断士/行政書士の資格取得を目指す人を応援するブログです。

自立した中小企業を目指して!

 

 

昔、500万社あった中小企業が今や358万社に減っているのが現実。この減少に歯止めをかけなければ、日本経済の先行きは暗い。これらは事業承継の円滑化だけでなく、永続企業を創出する中小企業の創意工夫が必要だ。

 

利益を出し続ける仕組みを確立すれば、中小企業に於いても市場における存在価値を発揮できるので、従業員達もやりがいを感じるもの。現況が下請け依存の中小企業で利益を出す為には、親企業の方針や業況に左右されない独自の経営が必須である。

 

その自立(独自経営)の為には、下請け依存の体質からの脱却が必要だ。親企業からの仕事をひたすら待つ姿勢を改め、自ら営業部隊を持つ事が必要だ。また親企業からの指示通りにモノづくりをするのではなく、自らのブランドを冠した商品を開発販売すると従業員達もやる気を高めてくれるであろう。

 

   

 

下請けのままの状態では、仕事に対する誇りやプライドを持てず、生きがいを失う従業員も多いはずである。もちろん、いきなり自立と言うのは無理な話で段階的に親企業との取引シェアを落としていき新規事業のシェアを高めていく事が必要だ。

 

下請の技術関係は自分達のものとの認識が根強い親企業がある。時代が大きく変化した今でもその古い認識は顕在だ。自分達の経営が危うくなれば、買いたたきをしてくるのに、「金型図面」等、下請にとって貴重な知的資産の提出も当然に要求する。

 

日本の高度経済成長は、大企業である元請けと下請けとの持ちつ持たれつの社会構造によってもたらされてきた。下請けは元請けの言うとおりに、良いものを言われた価格と納期で作れば事業が継続できたものである。

 

右肩上がりの成長時代だから、ひたすら元請けの指示通りに動いていれば、自らが営業活動をしなくても、仕事は元請けからどんどん受注できる。だから「金型の図面を持って来て」と元請けに言われたら、従順な下請けは当然のように持っていったもの。

金型の図面と言えば、中小企業にとっては貴重な知的財産である。確かに親企業からの継続的な受注をこなすことで、蓄積した技術やノウハウの集大成ではあるが、これを無償で要求するのは横暴だろう。

昔を振り返れば、日本の高度経済成長を支えてきた構造は、製造業における親事業者と下請企業との強固な下請分業体制だった。下請企業は、主要な親事業者とは長期にわたって安定的な取引を行い、所有する事業資産のうち主要親事業者向けの資産が殆どを占め、親事業者の要求によって設備投資や研究活動が行われるなど、親事業者による影響を大きく受けてきた。

 

 

 

下請企業にとっては、仕事量の安定、独自での営業活動が不要、取引に関するリスクがない、技術指導が受けられるなどのメリットがあった。一方、親事業者側は、生産能力の不足分を外注で補う、外注先の専門的な技術や製造設備を活用する、外注先を活用して自社は得意な分野に集中するなど、下請企業とのネットワークを上手に利用して自社の強みを特化していこうとした。

このように、長期安定的な取引関係を構築し、ネットワークである下請分業体制を、親事業者、下請企業の双方が上手に利活用していたのである。

 

日本の下請企業は、個々の部品を相互に調整・最適化しながら統合し、機能を発揮するように製品づくりを行う「擦り合わせ型」技術を得意としているのに対し、生産性向上の為に、製品を部品ごとに分割、生産し、部品のつなぎ(インターフェース)の部分を標準規格化することで、単に部品を組み合わせるだけで製品が完成する「統合型」の生産体制が世界的に進んだことも、下請比率の低下につながったとみられている。

一方、元請けは運命共同体として下請けを系列化していたので、下請けの技術もノウハウも自分たちが勝手に使えるものだとの思い込みが激しい。円高が進行するたびに大企業は工場を海外にシフトした。中小企業は大企業の言う通りに仕事をするだけでは生きていけない時代になり自立を要求されるようになった。

 

 

 

生き残るためには独自性を発揮して、別の分野に進出しなければならなくなった。そのためには自分たちが持っている技術やノウハウを活用しなければならない。その結果、盗まれてはいけない時代になったのである。

大企業の部長クラスは中小・ベンチャー企業は「自分たちの下請けだ」とずっと教えられてきた。下請けが持っているものは自分たちのものだと、今も思っている人は多い。その意識は簡単には変わらない。中小企業は時代の変化とともに意識も変えないと生き残れないので必死ですが、多くの大企業の社員の意識は、都合がいいことに昔のままだ。

 

日本でオープンイノベーションが必要になったのは、大企業から革新的なイノベーションが生まれにくくなっていることが一因である。大きな組織で新しい取り組みを始めるには、稟議を通すため、多くの幹部社員から承認されねばならない。

 

みんなに承認される提案は、革新的な提案にはならず、無難で優等生的な提案となってしまうもの。革新的なイノベーションを生み出すには前例否定が重要だが、それを幹部社員に認めてもらうという事は、幹部社員が自らを否定することになるので困難を極める。またリスクを恐れる保身的な幹部社員はあまり前例のない奇抜な発想から生まれる新たなことに対しては拒絶してしまう傾向もある。

 

中小企業は大企業とはスピード感が違う。中小企業の特性である小回り性・機動性を最大限に発揮するのが特徴なので、社長は物事を即決する。大企業よりも小さな組織のほうが新しい技術やノウハウを生み出しやすい。だから経済産業省なども、中小・ベンチャーのほうがイノベーションを生み出すのではないかという考えに変わってきているから。だからこそ、特許法改正などにも取り組んでいるのである。(参考文献:中小企業白書より)

 

このように時代錯誤的な親企業を「反面教師」にして優良企業を目指さねばならないだろう。確かに資金調達の際、金融機関の融資は、すでに販路を持っている下請け企業等の方が貸手にとっては返済リスクが低いので有利である。

販路が不確定な中小企業は顧客基盤が脆弱な為に不利に働くこともあるかもしれない。だから、結果的には下請け構造の固定化につながっているのだろう。金融機関の理解を得る為に精度の高い事業計画書を作成しなければならない。

 

中小企業が、下請け依存から脱却し自立するためには「顧客志向」が最も必要なのは当然になってきている。エンドユーザーの立場でいかにものを考えられるかが重要である。

 

今までは親企業に向けて出荷したら仕事の終わりであったが、自立した中小企業を目指すなら市場全体を観察・分析し、ニーズに合致した製品を自社ブランドを冠して供給する仕組みを確立しなければならない。その為には強みである技術を磨くのは当然の事、自らがマーケティン活動を強化しなければならないであろう。

 

中小企業の目指すべきマーケティングは、ワン・ツー・ワン・マーケティングである。このワンツーワンマーケティングは、大企業よりも顧客数や種類が限られる中小企業の方が実践しやすいはずである。このマーケティングの良し悪しが企業の栄枯盛衰の分岐点となる。元請けの言う通りに動いていれば飯が食えた時代はもう終焉したのだという自覚を持って経営に励んでほしい。

 

 

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