中小企業診断士/行政書士中村事務所

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事業承継で店を再開する親孝行の子供達!

 

 

父が創業し地域で15年続いた門真の居酒屋。3階建て自宅ビルの1階で営業し、サラリーマンのたまり場になり、また地域住民のコミュニティにも利用されていた。家族は創業者の父と母、店の設計をした建築士の長男、有名割烹店で修業し店の調理長を務める次男、の4人家族だ。

 

調理長の次男は、真面目で責任感があり内向的な性格だが調理人としての技能はかなりのレベルである。修業した店のレベルが高く、関西料理界でも有名な店である。そのキャリアと自らのセンスを注入した創作料理はお客様には高評価であった。建築士の長男も昼は本業の店舗設計に従事し、夜からは店の手伝いと懸命に働き店の繁盛に貢献した。

 

 

自社ビルだから通常は必要な家賃という固定費は不要で、その分を食材原価に充当し原価率50%の商品力を強みとした競争上の差別的優位性を確保した店づくりを徹底した。それらはお客様を魅了し、その美味しさとリーズナブルな価格設定にはご満足を頂き、大概の新規客は常連化・固定化といった好循環になっていた。

 

外食業界の費用の適正値は、業態によって異なるが、食材35%、人件費25%とFLコストを60%内で抑制するのが標準である。そして業務費10%、賃料や減価償却の管理費は20%、営業利益10%位となっている。

 

業態特性によって若干の費用割合が変化するが、大概はそういう費用構造になっている。大型店より小型店の方が営業利益率が高いのが普通である。

 

繰り返すが賃料で不要でその売上構成比15%~20%の費用が不要なのは絶対的なアドバンテージであり、これを競争優位の武器にしなければならない。

 

 

 

順調満帆に経営していたが、調理長である次男が体の不調を訴えるようになり家族全員が心配していたが、次男も責任からか何とか誤魔化しながら仕事をしていた。そんなある時、急に動悸が激しくなったりめまいが起こったりと立つことさえできない状態になり、病院で総てを検査してもらったが何の問題もなしとの事であり、医師の勧めで心療内科に行ってみたらと勧められ行くことにしたのである。診断結果は、パニック障害と鬱病である。この精神的病気を治すには相当な時間が必要だということで、取りあえず次男の体調を心配して店を暫く休むことにした。

 

 

新たに調理人を雇用し店の再開も検討したが、店の強みである商品力を維持することは困難で、中途半端な商品を提供して店のブランドイメージを低下させるとそれを取り返す方が大変だから次男の回復を待つことにした。店を賃貸することも検討したが、ビルの構造からあまり他人を入れることに否定的だった父が頑なに拒絶しそれは難しかった。

 

 

しかし、次男が一向に回復せず、創業者の父が高齢化し80歳となり、2年前にいったん店を閉める事にした。家族全員の思い入れがある店、また1階をずっと休眠状態にするのは勿体ないとの思いからどうするか判断に迷っていたがやむを得ないことだった。

 

 

2年の年月が経ち、人前に出ることも出来なかった次男だったが、毎月病院に通院し治療に専念してきた甲斐があり、何とか昨年末には回復の兆しが見えてきた。そして次男は仕事に回復できるまで精神的に病んでいたものが払拭できたのである。

 

過去の反省を踏まえ次男に極端な負担が行くことがなく、みんなが負担を平準化させる仕組みと要員体制を整備させることにした。リニューアルに向けた設備投資や新たなスタッフを雇用し商品・サービスの質的向上に向けた取り組みも強化していく。その為に、小規模事業者持続化補助金、事業承継補助金、日本政策金融公庫の創業融資を活用していくつもりである。

 

後継者不在で廃業する飲食店が多い中、途中、不測の事態で閉店はしたが、絶対にこの店の暖簾は守り続けようと兄弟で創業者の父に対して誓った。父はすごく喜ぶとともに後を継いでくれる息子たちに感謝していた。息子たちもいい親孝行ができたと喜んでいた。

 

 

今年1月中旬にリニューアルオープンする予定だったが、コロナ感染により今躊躇している今のうちに準備をしっかりして地域における存在基盤の確立に向け頑張っていきたいと気合が入っていた。店を再開する事が耳に入った常連さんが、「いつお店を開けるんだ?」としつこく聞いてくるそれだけ期待されているのだ。頑張ってみんなの期待に応えたいと確固たる決意で臨んでおられるので頼もしいものである。

 

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